北京の観光名所「頤和園(いわえん)」。世界遺産として知られていますが、実際に訪れると、宮殿のような建物だけでなく、劇場、花の咲く庭、色鮮やかな回廊、大きな湖まで、景色が次々に変わる場所でした。

私は春の午後、東宮門側から入り、仁寿殿、徳和園、楽寿堂、長廊を経て、昆明湖のほとりを歩きました。最後は再び仁寿殿の近くへ。この記事では、撮った写真の順番に沿ってその日の散策をたどりながら、チケットやアクセスなど、初めて訪れる方に役立つ情報も紹介します。

まるみ

頤和園って広そうだけど、初めてならどこから回るのがいいの?

まるもん

今回は東宮門側から入って、仁寿殿、徳和園、楽寿堂、長廊を通り、昆明湖のほとりまで歩いたよ。建物も湖も見られるルートだった!

まるみ

徳和園の大きな舞台や、長廊の天井の絵も気になるね。

まるもん

うん。徳和園などは入園券とは別のチケットが必要だから、行く前に料金と最終入場時間を確認しておくと安心だよ。

頤和園はどんな場所? まずは広さを知っておこう

頤和園は、北京市中心部から西へ約15kmに位置する清朝の皇家庭園です。敷地面積は約3平方キロメートル。その約4分の3を水面が占め、昆明湖と北側の万寿山が園内の景色の中心になっています。1998年にはユネスコ世界遺産に登録されました。

「庭園」という名前からコンパクトな公園を想像していると、入ってからその広さに驚くかもしれません。地図を見ると、建物が集まる東側、万寿山の前に伸びる長廊、広い昆明湖、さらに湖の向こう側まで見どころが点在しています。どこを優先するか決めておくと、限られた時間でも歩きやすくなります。

今回の写真は、宮殿建築から湖畔へと進み、最後に入口側へ戻る流れです。写真の撮影時刻では、入口付近から最後の仁寿殿前まで約1時間20分。ただし、園内での滞在時間全体を示すものではなく、見学する施設や休憩によって必要な時間は変わります。

東宮門側から入園。まず目にした仁寿殿

入口周辺には頤和園の案内や世界遺産の表示があり、ここから広い園内の散策が始まります。最初に気になったのは、ひときわ大きな「寿星石」。整った形の建物とは違う、不思議な輪郭の石が置かれているのも、中国庭園らしい景色です。

先へ進むと仁寿殿が見えてきました。赤い柱、広い屋根、建物前の空間が重なり、写真で見る以上に堂々とした印象があります。頤和園というと湖や仏香閣の写真をよく見かけますが、東宮門側から歩くと、まず宮廷の建築を間近に見られるのがこのルートの面白さです。

入口付近には園内地図もあります。頤和園は歩いている途中で方向感覚を失いやすいほど広いので、仁寿殿から徳和園、楽寿堂、長廊へ進む位置関係を最初に確かめておくと安心です。

徳和園の大戯楼。三層の舞台と装飾に目を奪われる

仁寿殿から北側へ進み、徳和園へ向かいました。徳和園は、慈禧太后が芝居を楽しんだ場所として知られています。扮戯楼の説明板や建物を見ながら進むと、目の前に現れるのが大戯楼です。

大戯楼でまず印象に残るのは、その高さ。屋根が三層に重なった舞台は、庭園内のほかの建物とは違う存在感があります。少し離れて全体を眺めると屋根の形がよく分かり、近づくと柱や軒先の色づかい、装飾の細かさが見えてきます。

見上げた天井にも、色鮮やかな模様が広がっていました。赤や緑、金色を使った装飾は、写真を撮る角度によって見え方が変わります。舞台だけでなく、その周りの建物や通路にも目を向けると、ここが芝居を見るためにつくられた一つの空間だったことが伝わってきました。

宮廷劇場という歴史を知らなくても、建物を見て歩くだけで楽しめます。頤和園で長廊や湖を目指す方も、建築に興味があるなら徳和園を回る時間を取る価値があります。徳和園への入場には、入園券とは別の施設チケット、または対象施設を含むセット券が必要です。

白い花の先にある楽寿堂

徳和園を離れて歩いていると、白い花をつけた木が現れました。赤い柱や灰色の瓦が続いたあとだったので、花の明るさが目を引きます。春の頤和園では、歴史ある建物と季節の景色を同じ散策の中で楽しめるのが魅力です。

次に向かった楽寿堂は、慈禧太后が頤和園で暮らした場所として知られています。正面の建物だけを見て通り過ぎるには惜しく、庭に置かれた動物の像や大きな石、周囲の木々も写真に残したくなる場所でした。

特に大きな石は、建物の直線的な柱や屋根とは対照的な形をしています。頤和園では、こうした石や植栽が建築の前に置かれ、庭の景色をつくっています。歩く順番に写真を並べると、劇場の華やかさから、落ち着いた居住空間へと景色が変わったことも分かります。

邀月門を通って長廊へ。絵を見ながら湖沿いを歩く

楽寿堂の先で「邀月門」の額を見上げ、そのまま長廊へ進みました。長廊は昆明湖に沿って伸びる、屋根付きの回廊です。外から見ると長い通路ですが、中を歩くと柱、欄干、天井の絵が次々と現れ、単なる移動の道には感じられません。

赤い欄干と緑の柱が繰り返される景色にはリズムがあります。天井には絵や模様が描かれ、見上げるたびに違う場面が目に入ります。写真にも、遠くまで続く回廊の様子だけでなく、天井の細部が残っていました。ここでは先を急がず、ときどき立ち止まって上を見るのがおすすめです。

もう一つの楽しみは、回廊の外の景色です。片側には万寿山の建物、もう片側には昆明湖が見えます。柱の間から湖をのぞくと、装飾の華やかさと水辺の広がりが一枚の景色に収まります。頤和園らしい写真を撮りたい方にとっても、長廊は見どころの多い場所です。

排雲殿と仏香閣。山の斜面に重なる建物を見上げる

長廊を歩いていくと、万寿山の斜面に建物が連なる景色が近づいてきます。下に排雲殿、その上に仏香閣。広場側から見上げると、山の高さと建物の重なりを一緒に感じられます。

仏香閣は、頤和園の写真でよく目にする塔状の建物です。ただ、園内で実際に歩いてみると、正面から見る姿だけが魅力ではありません。湖畔へ移動したあとにも、木々の間から、あるいは水辺越しに、その姿が繰り返し現れます。同じ仏香閣でも、近くから見上げたときと遠くから振り返ったときでは印象が変わりました。

今回は排雲殿周辺と仏香閣を下から眺めた写真が中心です。仏香閣まで上がって内部を見学する場合は、坂や階段を歩く時間と、別料金施設の最終入場時間を確かめておきましょう。夕方からの散策なら、山へ上がるか湖畔を歩くかを先に決めておくと回りやすくなります。

昆明湖畔へ。船着き場、水木自親、夕方の水面

排雲門付近には船着き場があり、訪れた日も遊覧船や小舟が行き交っていました。岸からは、船を眺める人、湖沿いを歩く人、それぞれの過ごし方が見えます。写真を振り返ると、このあたりから建物を見上げる場面が減り、広い水面を写した場面が増えていきます。

水木自親の案内板には、かつて慈禧太后が水路を通って庭園を訪れ、ここで上陸したことが説明されていました。湖のそばに建つ建物を見てから説明を読むと、この場所が庭園の水上交通と結びついていたことが分かります。観光中に見かける案内板も、目の前の風景を理解する手がかりになりました。

湖畔では、水鳥が泳ぐ姿を近くで見られました。少し離れると、水面には大小の船が点在し、向こう岸まで続く湖の広さが伝わってきます。午後の遅い時間には、日差しが波に反射してきらきらと光っていました。建物の色彩を楽しんだ長廊から、空と水が広がる湖畔へ。頤和園の景色が大きく切り替わる場面です。

さらに歩くと、橋の先にあずまやが見える景色にも出会いました。木々の枝越しに差す光、橋を渡る人々、水辺に立つ建物。写真を順に見返すと、同じ湖畔でも少し場所を変えるだけで構図が変わり、何枚も撮りたくなる理由が分かります。

最後に仁寿殿前へ。麒麟の像を近くで見る

湖畔を離れて入口側へ戻る途中、仁寿殿前にある麒麟の像を間近で撮影しました。最初に通った場所でも、帰りに改めて見ると、目に入るものが変わります。

像には、龍のような顔、角、うろこに覆われた体があります。現地の案内板では、さまざまな動物の特徴を備え、邪気を払うとされる伝説上の瑞獣として紹介されていました。近くから見ると、正面の表情や前脚の形までよく分かります。頤和園の散策を、行きと帰りで違う視点から楽しめた締めくくりでした。

写真でたどる今回のルート

今回の写真を撮った順にまとめると、東宮門側 → 寿星石・仁寿殿 → 徳和園の扮戯楼・大戯楼 → 楽寿堂 → 邀月門・長廊 → 排雲殿を見上げるエリア → 排雲門付近の船着き場 → 昆明湖畔・水木自親 → 橋とあずまやの見える水辺 → 仁寿殿前の麒麟という流れです。

建物が集まる東側から入り、長廊を通って湖へ出るため、宮廷建築と庭園の水辺を両方見られます。写真に写った場所を中心に回るなら、東宮門側を出発点にすると順番を追いやすいでしょう。一方、頤和園全体を巡るにはこのルートだけでは足りません。行きたい場所を地図で確認してから、時間と体力に合わせて調整してください。

石舫や十七孔橋も見たい場合は?

最初に頤和園の見どころを調べると、船の形をした建物「石舫」や、南湖島へ続く「十七孔橋」の写真もよく見かけます。どちらも有名ですが、今回の散策写真には含まれていません。この記事のルートに追加する場合の行き先として紹介します。

石舫は長廊からさらに西へ進んだ水辺にあります。長廊を歩き切った先の目標にしやすい一方、同じ入口へ戻るなら帰りの距離も考えておきたいところです。十七孔橋は昆明湖の東側にあり、橋と南湖島を見たい場合は湖の東岸へ向かいます。

石舫も十七孔橋も一度に回りたい場合、園内の広さを考えると移動時間が増えます。短い滞在なら、今回のように宮殿・長廊・湖畔を中心にするか、石舫や十七孔橋まで足を伸ばすか、優先順位を決めるのがおすすめです。

チケット料金と営業時間

頤和園には、公園に入るための入園券と、徳和園や仏香閣などの園内施設に入るためのチケットがあります。料金と時間は季節で変わります。以下は2026年9月に頤和園公式サイトで確認した一般向けの案内です。訪問前に最新情報を確認してください。

項目4月1日〜10月31日11月1日〜3月31日
入園券30元20元
セット券60元50元
公園の開園時間6:00〜20:00(最終入園19:00)6:30〜19:00(最終入園18:00)
仏香閣などの
園内施設
8:00〜18:00(最終入場17:30)8:30〜17:00(最終入場16:30)

セット券には入園券と、徳和園・仏香閣・蘇州街・頤和園博物館のチケットが含まれます。個別に購入する場合、徳和園は5元、仏香閣は10元です。庭園を散策するだけなら入園券を、複数の園内施設を見学する予定ならセット券を比較しましょう。実際に購入する券種は、見たい施設を決めてから選ぶと分かりやすくなります。

園内施設は原則として月曜日が休みですが、祝日などは例外があります。また、公園そのものは開いていても、園内施設の最終入場は早めです。午後から訪れる場合は、先に入りたい施設を回り、そのあとで湖畔を歩く順番も考えられます。

アクセス|東宮門と北宮門、どちらから入る?

地下鉄を利用する場合、東宮門へは4号線・16号線の西苑駅、北宮門へは4号線の北宮門駅が公式サイトで案内されています。今回のように仁寿殿から見始め、徳和園、楽寿堂、長廊へ進むなら、東宮門側からの入園が分かりやすいでしょう。

北宮門は万寿山の北側にあるため、東宮門とは出発地点が変わります。仏香閣や長廊へ向かうつもりでも、入る門によって歩く順番が違います。行きたい場所と帰りに使う駅を園内地図で確認しておくと、広い園内での移動を考えやすくなります。

昆明湖の遊覧船に乗りたい場合

湖を水上から眺めたい方は、遊覧船も選択肢です。公式サイトには複数の航路が掲載されており、排雲門周辺の遊覧航路や、石舫から南湖島北への航路は片道40元と案内されています。写真に写っていた船着き場の料金表示も、訪問時には40元でした。

船は航路によって発着場所が異なり、悪天候で運休することもあります。目的地まで移動する航路なのか、周遊する航路なのかを現地で確かめてください。湖畔を歩く時間も取りたい場合は、乗り場までの移動と船の待ち時間を含めて予定を立てるとよいでしょう。

訪れる際の注意点|午後から回るなら確認したいこと

園内の広さを見込んで、歩きやすい靴で行く。

今回は東側の建物と昆明湖畔を中心に歩きましたが、それでも写真を撮りながら次の場所へ移動する時間がかかりました。石舫や十七孔橋まで加えるなら、地図で距離を確認し、戻る道のりも考えておくと安心です。

ちなみに・・・歩きやすさを向上させるアイテムとして私が最近使ってるアイテムご紹介しておきます。これいいですよ!

入りたい施設は先に決める。

徳和園や仏香閣などは、公園への入園券とは別にチケットが必要です。セット券を買うか、見たい施設だけ個別に買うかは、予定に合わせて選べます。園内施設は公園より早く閉まり、原則月曜日は休みなので、訪問日と最終入場時間を確認してください。

午後からの入園では、建物を先に回る。

私が写真を撮った3月はオフシーズンの時間帯に当たり、園内施設の最終入場は16時30分という案内です。夕方の湖畔を歩く時間を取りたい場合も、徳和園などに入る予定なら先に見学しておくと回りやすくなります。

遊覧船は当日の運航状況を見る。

航路ごとに乗り場と行き先が異なり、強風や大雨などで運休することがあります。船に乗るつもりなら、現地の時刻・料金表示を確認してから湖畔の歩き方を決めましょう。

入る門と帰る門を確認する。

頤和園には複数の門があり、東宮門と北宮門では近い地下鉄駅も異なります。散策の終点からどの門へ向かうかを、園内地図で確かめておくと帰りの移動がスムーズです。

まとめ|頤和園は、歩くほど景色が変わる

東宮門側の宮殿建築から始まり、徳和園の舞台、楽寿堂の庭、絵の続く長廊を抜けて、夕方の昆明湖へ。撮った写真を順に見返すと、頤和園では歩くことそのものが景色の変化を楽しむ時間だったと感じます。

初めて訪れる方は、見たい園内施設と入場時間を先に確認し、歩きやすい靴で時間に余裕を持って出かけてみてください。建物の細部に立ち止まる時間も、湖のほとりで遠くを眺める時間も、頤和園の楽しみ方の一つです。

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