中国を訪れる際、移動手段として便利なのがタクシーです。しかし、「どうやってタクシーを捕まえればいいの?」「料金はどのくらい?」「ぼったくりに遭わないためには?」と不安を感じる人も多いのではないでしょうか?
中国では、一般的なタクシーに加え、配車アプリを利用したタクシーが主流となっています。特にDiDi(滴滴出行)などのアプリを使えば、スムーズかつ安心して移動できます。
本記事では、中国の中でも特に私の住んでいる深センを例にタクシーを利用する方法、料金システム、配車アプリの使い方、トラブル回避のコツを詳しく解説します。これを読めば、初めての深セン旅行でも安心してタクシーを活用できますよ!
1. 中国・深センのタクシー基本情報
1. タクシーの種類

中国では大きく分けて以下の3種類のタクシーがあります。
- 一般タクシー(路上で拾えるタクシー)→上の写真の左側
- 地域や会社によって異なりますが、色は「赤」「黄」「緑」「青」などがあります(深圳の場合は青色)。
- メーター制で料金が計算される。
- 空車のときはフロントガラスの「空车(空車)」ランプが点灯している。
- 配車アプリ専用タクシー(ネット予約タクシー)→上の写真の右側
- DiDi(滴滴出行)が主流で、Meituan(美团打车)やGaode(高德打车)も利用可能。
- 乗車場所・降車場所をアプリで指定し、事前に料金がある程度わかる。
- 一般タクシーよりやや高くなるときもあるが、交渉不要で便利。
- 乗車時に現金不要(アリペイやWeChat Payで決済)。
- 高級タクシー(プレミアムタクシー・チャーター車)
- 主に高級車を使用(Tesla、BMW、Mercedesなど)。
- DiDiアプリで「豪华车(高級車)」を選ぶと予約可能。
- 料金は通常タクシーより割高だが、快適な移動ができる。
2. 料金システム
中国のタクシー料金は比較的安価で、以下のようなシステムになっています。
- 初乗り料金(最初の2km): 10元(約200円)
- 距離別料金: 2kmを超えると2.6元/km(約50円/km)
- 深夜料金(23:00~翌6:00): 約20%割増
- 待機料金: 渋滞や信号待ちで一定時間が経過すると追加料金発生
- 高速道路料金: 乗客負担(料金所を通る際に支払い)
※ 配車アプリの場合は「事前確定料金」になり、通常のタクシーとは料金体系が異なることがある。

左の画面はDiDiアプリで出発地の「万象天地」から「深圳湾口岸」までの経路をタクシーで移動するために検索した画面。
色々な種類のタクシーを選択することができ、価格も自分の好みに合わせることが出来る。
おおよその価格を事前に知ることが出来るため、安心して配車を予約することが出来る。また、配車の予約をすると、ナンバープレートや運転手などの情報も知ることが出来るため、安心である。
3. 深センのタクシー事情
電子決済が基本
現金を使わず、Alipay(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)で支払うのが一般的。現金を受け付けない運転手もいるので注意。
英語はほぼ通じない
中国語(標準語または広東語)が基本。目的地を中国語で書いたメモや地図アプリで見せるとスムーズ。
流しのタクシーは少なめ
深センではDiDiなどの配車アプリが主流になっており、路上でタクシーを拾うのは少し難しいことがある。特に雨の日や繁忙時間帯(朝・夕方)はアプリ利用がベター。
ぼったくりは少ないが要注意
深センは比較的ぼったくりが少ないが、メーターを使わない運転手や、遠回りするドライバーには注意。メーターが動いているか必ず確認し、怪しい場合はすぐ降りるのも手。
白タク(違法タクシー)に注意
正規タクシーではなく、「個人運営の白タク」が駅や空港周辺にいることがある。料金交渉制で割高になることが多いので避けたほうが無難。
2. タクシーの乗り方(深セン編)
1. 流しのタクシーの捕まえ方(アプリ vs. 直接手を挙げる)
① アプリを使う(DiDi、Meituan、Gaode)

近年、中国では配車アプリが主流になっており、流しのタクシーを捕まえるよりも便利です。中国の祝日以外はすぐに見つけることができる。
② 直接手を挙げてタクシーを拾う

深センではタクシーを流しで捕まえることも可能ですが、最近はアプリ利用が増えたため流しのタクシーの数は減少傾向にあります。
2. 主要なタクシーアプリ(DiDi、Meituan、Gaode)と使い方
① DiDi(滴滴出行) ★最も普及しているアプリ
- 日本でもDiDiアプリをダウンロード・設定できる(事前準備可能)
- 言語設定を英語に変更可能(外国人にも使いやすい)
- 「普通車(一般タクシー)」から「豪華車」「シェアライド」まで選択可能
② Meituan(美团打车)
- 中国国内で人気のあるサービスだが、外国人にはやや使いにくい(言語設定が中国語のみ)
- Meituanアプリ内でタクシー配車機能を利用可能(フードデリバリーと統合)
- AlipayやWeChat Payがあれば問題なく決済可能
③ Gaode(高德打车)
- 地図アプリ「高德地图(Amap)」内の配車機能
- 複数のタクシー会社の料金を比較可能で、最適なタクシーを選びやすい
- DiDiよりも若干安いことがある
- アプリを開く → GPSで現在地を特定
- 目的地を入力(英語入力可)
- タクシーの種類を選択(一般タクシー、豪華車など)
- 支払い方法を選択(Alipay、WeChat Pay、現金など)
- 「呼叫」ボタンを押す → タクシーが確定すると到着予定時間が表示される
- 車両情報を確認し、乗車(ナンバープレートと車種をチェック)
- 降車後、自動決済 or 現金払い
3. 乗る前に確認すべきこと
① メーターが動いているか確認
- 中国の正規タクシーはメーター制が基本。
- メーターが動いていない場合はぼったくりの可能性大!
- 乗車したら、必ず運転手がメーターをスタートしているかチェック。
② 料金交渉の必要性(基本不要)
- 正規のタクシーはメーター制なので交渉不要
- ただし、一部のドライバーは「固定料金」を提示してくることがある(特に観光地や駅前)。
→ 「メーターを使ってください」(请打表 / Qǐng dǎ biǎo)と言えばOK。
③ タクシーの種類を確認
- 正規タクシーかどうか?(深圳市の場合はナンバープレートが「粤B」から始まっている)
- 白タク(非正規タクシー)ではないか?(車体にタクシー会社のロゴがないものは要注意)
- 空港や駅周辺では「白タク」が客引きしていることがあるので避ける。
④ 支払い方法の確認
- ほとんどのタクシーはAlipay・WeChat Payの電子決済対応。
- 現金を受け取らない運転手も増えているので注意(事前にアプリ決済の準備を)。
3. トラブル回避のポイント
深センのタクシーは基本的に安全ですが、外国人旅行者がぼったくりや偽タクシー(白タク)の被害に遭うケースもあります。また、言葉の壁もタクシー利用時のハードルの一つです。ここでは、安心してタクシーを利用するためのトラブル回避のコツを紹介します。
① ぼったくりに遭わないための注意点

深センでは、ほとんどのタクシーがメーター制を採用していますが、一部の運転手が外国人を狙って不正を働くことがあります。以下の対策を知っておくと安心です。
🔸 メーターを使わない・料金を交渉制にする
➡ 「请打表 (Qǐng dǎ biǎo)」=「メーターを使ってください」と伝え、メーターが作動しているか確認。
➡ メーターを使わない場合は、すぐに降りるのがベスト。
🔸 遠回りをする
➡ Googleマップや高徳地図(Gaode Map)を開き、ルートをチェック。
➡ 「ナビを見せながら、このルートで行ってください」と伝えると、無駄な遠回りを防げる。
🔸 高額な「固定料金」を請求する
➡ 駅や空港で「〇〇元で行くよ」と言われても、その場で決めずに必ずメーター制のタクシーに乗る。
➡ 配車アプリ(DiDiなど)を使えば、事前に料金が確定するので安心。
② 偽タクシー(白タク)を見分ける方法

中国では、違法営業の白タク(非正規タクシー)が存在します。駅や空港、観光地周辺では特に注意が必要です。
白タクの特徴
❌ 車体にタクシー会社のロゴや「出租车(Taxi)」の表示がない
❌ ナンバープレートの頭文字が「粤B」以外(深センの正規タクシーは「粤B」)
❌ 乗車前に「いくらで行く?」と料金交渉してくる
❌ 車内にメーターや運転手の身分証が掲示されていない
安全なタクシーの見分け方
✅ 正規のタクシーは車体にタクシー会社のロゴが入っている。
✅ ナンバープレートの最初が「粤B」(深センの登録車両)。
✅ 車内に運転手の身分証明書(タクシーライセンス)が掲示されている。
✅ メーターが設置されている(乗車後すぐに作動する)。
🚨 空港や駅の出口で声をかけてくるドライバーは白タクの可能性大!
→ 必ず公式のタクシー乗り場を利用するか、配車アプリを使う。
③ 言葉の壁を乗り越えるコツ(翻訳アプリや住所メモを活用)

深センでは英語を話せるタクシードライバーは少ないため、中国語が話せないと意思疎通が難しくなることがあります。以下の方法を活用しましょう。
1. 目的地の住所を中国語で準備
📌 ホテルや観光地の住所を中国語でメモしておく
➡ 紙に書いて見せるか、スマホのメモアプリに保存しておくと便利。
📌 タクシーアプリ(DiDi)を利用
➡ 目的地をアプリで指定できるため、ドライバーに説明不要!
2. 翻訳アプリを活用
📌 Google翻訳・百度翻訳を活用
➡ Google翻訳の「音声翻訳」機能を使えば、簡単な会話ができる。
📌 オフライン翻訳を事前にダウンロード
➡ 中国ではGoogleのサービスが制限されているため、事前にオフライン翻訳をダウンロードしておくと便利。

翻訳アプリ「PAPAGO」
AIを基盤とした無料翻訳アプリ。収録されている13言語全てがオフラインでも使用可能。
事前に通訳ダウンロードは必要なので、使用したい言語はあらかじめダウンロードしておくことをおすすめします。
3. 簡単な中国語フレーズを覚えておく
「この住所まで行ってください」
→ 请带我去这个地址 (Qǐng dài wǒ qù zhège dìzhǐ)
「メーターを使ってください」
→ 请打表 (Qǐng dǎ biǎo)
「ここで降ります」
→ 我要在这里下车 (Wǒ yào zài zhèlǐ xiàchē)
「お釣りをください」
→ 请找钱 (Qǐng zhǎo qián)
4. 中国・深圳市内でのタクシーの便利な活用法
中国・深センでは、タクシーは移動手段として非常に便利です。特に空港や駅からの移動、観光地での利用、長距離移動やチャーターといったシチュエーションでタクシーを活用すると、効率的に移動できます。ここでは、深センでタクシーをより快適に使うためのポイントを紹介します。
① 空港や駅からの移動での使い方
空港や駅に到着すると、タクシーを利用して市内やホテルへ向かいたいことが多いですよね。しかし、空港や駅ではぼったくりタクシーや白タクが多いため注意が必要です!ここでは深圳の主要となる空港と駅の安全なタクシー乗り場を載せておきます。
🚖 深セン空港(宝安国際空港)からのタクシー移動
- タクシー乗り場はT3・T4ターミナルの到着フロア(1階)にあり、案内標識に従えば迷わず行ける。
- 深セン市内までの料金は目的地によって異なるが、市中心部(福田・羅湖エリア)までは約100元前後。
- 所要時間は30~40分ほど(渋滞時は1時間以上かかることも)。
🚆 深セン主要駅からのタクシー移動
- 深セン北駅(高鉄 / 新幹線駅)
- 市内中心部(福田・羅湖)までは約50~80元。
- タクシー乗り場は駅の1階出口付近。
- 羅湖駅(香港からの入境ポイント)
- 羅湖駅周辺は白タクが多いので、必ず正規のタクシー乗り場を利用するか、DiDiで配車することを推奨。
- 福田や南山エリアまで約50元前後。
② 深圳市内の観光地でタクシーを使う際の注意点
観光地では、タクシーを使うことで移動が便利になりますが、以下の点に注意が必要です。
✅ 観光地の公式タクシー乗り場を利用する
➡ 路上でタクシーを拾うより、正規の乗り場を使う方が安心。
✅ ぼったくりを防ぐため、事前に料金の目安をチェック
➡ ホテルや現地スタッフに「この距離ならいくらくらい?」と聞いておくと、相場を把握できる。
✅ 帰りのタクシーを確保するために配車アプリを活用
➡ 観光地では流しのタクシーが少ないことがあるため、帰る前にDiDiで予約するのが◎。
🚩 タクシーがつかまりにくい観光地
- 世界の窓(世界之窗)
- 東門歩行街(ショッピングエリア)
- 大梅沙ビーチエリア(夏場は特にタクシーが不足しがち)
➡ これらのエリアでは、DiDiやMeituanを使うのがベスト!
③ 深圳市内からの長距離移動やチャーターの方法
✅ 長距離移動(他の都市への移動)
- 深センから広州・珠海・東莞などにタクシーで移動することも可能。
- 料金は高めだが、荷物が多い場合や複数人で移動するなら便利。
- 事前にDiDiの「快车(専用車)」や「专车(高級車)」で見積もりを確認すると良い。
🚖 深セン → 広州のタクシー料金目安
- 必ず正規のタクシー乗り場を利用するか、DiDiで配車することを推奨。
- 所要時間:約2時間
- 料金:約600〜800元
✅ タクシーをチャーターする方法
- 観光やビジネスで1日タクシーを貸し切ることも可能。
- 配車アプリ(DiDi)で「日租车(1日チャーター)」を選択できる。
- 料金は時間制(例:8時間で500~1000元)。
- ホテルのコンシェルジュに依頼すると、ドライバー付きの専用車を手配してくれることも。
5. 実体験やエピソード
ここでは、実際に深センでタクシーを利用した際の体験談を紹介します。タクシーを使う中で感じた便利な点や、トラブルに遭遇したときの対処法もお伝えするので、これから深センを訪れる方の参考になればと思います。

① 実際に中国でタクシーを利用した体験談
🚖 深セン空港からホテルまでタクシーを利用したときの話
初めて深センに行ったとき、深セン宝安国際空港からホテル(福田エリア)までタクシーで移動しました。
✅ 空港のタクシー乗り場は分かりやすく、スムーズに乗車できた
✅ ドライバーは無言だったけど、ちゃんとメーターを使ってくれた
✅ Googleマップでルートを確認しながら乗車すると安心感があった
特に問題もなく約30分ほどで到着し、料金は約90元(日本円で約1,800円)。日本に比べると安く、スーツケースが多かったのでタクシーを利用して正解でした!
② 予想外のトラブルとその対処法
⚠️ ぼったくりタクシーに遭遇!料金交渉を求められた話
羅湖駅でタクシーを拾おうとしたとき、流しのタクシーに乗車しました。
🟠 乗った瞬間にドライバーが「メーターは使えない、100元でどうだ?」と言ってきた。
🟠 事前に相場を調べていたので、「高すぎる!」と思いすぐに降りた。
🟠 別のタクシーを探し、ちゃんとメーターを使ってくれるドライバーを見つけた(最終的に料金は35元)。
⚠️ 深夜にタクシーが捕まらない…DiDiの配車が便利だった話
夜11時頃、観光地(世界の窓)からホテルまで帰ろうとしたとき、流しのタクシーが全然つかまらない…!
🟠 深夜は流しのタクシーが少なく、20分以上待っても来ない。
🟠 DiDiアプリを使って配車したら、すぐにドライバーが見つかった!
🟠 アプリ上で料金も事前にわかるので、ぼったくりの心配なし。
🟠 ホテル名をアプリで指定していたので、目的地の説明も不要!
6. まとめ:タクシーを安全・快適に利用するコツ
深センのタクシーは、使い方を理解しておけばとても便利な移動手段です。空港や駅からの移動、観光地巡り、深夜の帰宅など、さまざまなシーンで役立ちます。トラブルを避けるためには、正規のタクシーを利用する、配車アプリを活用する、事前にルートや料金の目安を確認するといったポイントを押さえておくことが大切です。 快適で安全なタクシー移動を楽しみながら、深センの旅を思いっきり満喫してください!