中国旅行といえば「高速鉄道(高鉄)」は欠かせない移動手段です。中国全土に広がる路線網は世界最大規模を誇り、主要都市間を結ぶ速度は時速300kmを超えることも。飛行機よりも手軽で、市内中心部からダイレクトに移動できる利便性から、観光客やビジネス利用者の強い味方になっています。

高速鉄道にはいくつかの座席クラスがあり、一般的な「セカンドクラス(2等席)」、最も良いサービスを受けることのできる「ビジネスクラス」、その中間に位置するのが「ファーストクラス(1等席)」です。

2等席より広く快適でありながら、ビジネスクラスほど高額ではない――まさに“ちょっと贅沢な移動”を楽しめるのがファーストクラスの魅力。今回は、そのファーストクラスに実際に乗って体験した座席の快適さやサービス、料金とのバランスについてご紹介します。

まるみ

前回はビジネスクラスを紹介したね!

まるもん

ファーストクラスは価格がそれほど高くなく、快適な空間で過ごすことのできる場所だよ!一緒にチェックしていこう!

ファーストクラス座席の特徴

■ 座席の配置

ファーストクラスは 2+2列の並び になっており、2等席(3+2列)に比べて横の座席数が少ないため、ゆとりのある空間が広がっています。窓側に座っていても、隣の人に大きく気を遣わずに通路へ出られるのは嬉しいポイント。全体的に「静かで落ち着いた雰囲気」があり、長時間の移動でもストレスが少なく過ごせます。

■ 座席の広さとリクライニング

座席の幅はしっかりと確保されており、横にも縦にも圧迫感がありません。リクライニングは深めに倒せるので、仮眠を取ったり読書をしたりと、移動中の過ごし方に合わせて調整できます。日本の新幹線のグリーン車に近い快適さを感じられるでしょう。長距離路線では特に、この差が大きく感じられます。

■ 足元のスペース

足元の広さもファーストクラスの魅力のひとつです。前の座席との間隔が広く確保されているため、身長の高い人でも足を伸ばしやすく、リラックスして座れます。また、バックパックや小型スーツケース程度であれば足元に置いても窮屈さが少なく、荷物の置き場所に困らないのも便利です。

■ 座席の快適性(ヘッドレストや素材)

多くの車両ではヘッドレストがついており、首や頭をしっかり支えてくれるため、休憩や仮眠のときに快適です。座席のクッションは2等席より厚みがあり、長時間座っても疲れにくい設計になっています。車両によっては革張りシートのタイプもあり、より高級感を味わえることもあります。

■ 電源コンセントと利便性

各座席に 電源コンセント が備え付けられている列車が多く、スマートフォンやノートPCの充電をしながら移動できます。Wi-Fiは路線によって提供の有無が異なりますが、コンセントがあるだけでも安心。特に出張や長距離移動では、ファーストクラスの「快適+実用性」のメリットを強く実感できます。

【体験談&ちょっと嬉しい設備】

ファーストクラスは日本の新幹線で言うグリーン席のような快適さがあります。仕事を十分にできるスペースやコンセント、このほかに嬉しいのが各席についているスーツやリュックをかけるフックです。海外の新幹線ではないことが多いですが、中国ではこのフックが新幹線についています。仕事柄、背広を着たり、ビジネスリュックをもっていくことが多いですが、そのときに「各席」についているこのフックがあるのは大変うれしいです。

また、日本ではあまり見ることは少ないかもしれませんが、座席の手すりにQRコートがついています。これはスマートフォンで読み込むとドリンクや食べ物を注文することができるQRコードです。小腹が空いたときや飲み物がきれてしまったときは注文すると良いでしょう。

サービス・設備

■ 車内サービス

ファーストクラスでは、乗車時におしぼりや簡単なドリンクが提供されることがあります。路線や車両によってサービスの内容は異なりますが、2等席にはない「ちょっと特別な扱い」を感じられるのは魅力です。特に長距離路線では、ペットボトルの水や軽食が配られることもあり、移動中のリラックスタイムをサポートしてくれます。

【体験談&着席したらすぐに持ってきてくれる】

区間などにもよりますが、ファーストクラスでは自分の席に着席するとすぐに飲み物や軽食を持ってきてくれます。私が使ったときは水やお菓子を持ってきてくれました。人気のお菓子が詰めあわされており、おいしく小腹を満たすことが出来ます。

私がもらったお菓子がこちら、ビスケットや豆などが入っていました。どれもおいしかったです。

■ 折りたたみテーブル

座席には折りたたみ式のテーブルが備え付けられており、食事を取ったり、ノートPCを置いて作業したりするのに便利です。

■ 車両の静けさ

ファーストクラスの車両は、2等席と比べて乗客数が少ないため、全体的に静かな雰囲気です。小さな子ども連れや大人数のグループ観光客は比較的少なく、落ち着いた環境で移動したい人には理想的といえるでしょう。読書をしたり、うたた寝をしたりと、自分の時間をじっくり楽しむことができます。

■ 混雑の少なさ

中国の高速鉄道は人気が高く、2等席は満席になることも珍しくありません。しかし、ファーストクラスは座席数自体が限られているため、混雑を避けられるのが大きなメリット。ピークシーズンでも比較的余裕があり、ストレスの少ない移動を実現できます。

【体験談&混雑していても大体はおけるスーツケース】

旅行や少し長めの出張の時に困るのがスーツケース。私も混雑時によく高速鉄道を利用することがありましたが、ありがたいことにほとんどの機会でスーツケースをおけないことはありませんでした。また、盗まれることもなく、安全に預けることが出来ています。小さめのスーツケースは座席の上に置けますが、大きめのスーツケースは車両の間に置くことになるので知っておいて下さい。

チケット料金と購入方法

■ 2等席との価格差

ファーストクラスは、2等席よりも料金が高めに設定されています。例えば人気の 北京〜上海間(約1,300km) の場合、2等席が約700元前後に対して、ファーストクラスは約1100元前後。およそ1.5倍程度の差があります。
一方で、最上位のビジネスクラス(約2,400元前後)に比べればかなり手頃で、「快適さとコストのバランスが取れた選択肢」と言えるでしょう。距離によって差額は変わりますが、数百元の追加でグレードアップできるため、長距離利用では特におすすめです。

■ チケット購入の方法

中国高速鉄道のチケットは、いくつかの方法で購入できます。

  • 公式アプリ「12306」:中国鉄道の公式アプリで、最も確実。座席指定も可能ですが、中国語表記が基本。
  • 旅行代理店やオンライン予約サイト:英語や日本語対応のサイトもあり、外国人旅行者には便利。ただし手数料がかかる場合があります。
  • 駅の窓口:パスポートを提示して直接購入できます。混雑することもあるので、余裕を持った行動が必要です。

特に人気路線は早めに売り切れるため、事前予約をしておくと安心です。公式アプリでの予約の仕方は下の記事に書いておきました。参考にしてみて下さい。

【2025年最新版】中国の高速鉄道の乗り方・チケット購入から乗車まで徹底解説中国を旅行・出張するなら、高速鉄道(高鉄)の利用がとても便利でおすすめです。本記事では、チケットの買い方(オンライン予約・駅窓口)、駅でのセキュリティチェックや改札の流れ、車内設備、降車後の注意点まで、初めての方でも安心して使えるように詳しく解説。広大な中国をスピーディーに移動するための完全ガイドです。...

■ 座席指定のポイント

ファーストクラスは座席数が少ないため、早めに指定するのがおすすめです。窓側を選べば車窓の景色を楽しめ、通路側なら出入りがスムーズ。長距離移動では、中央付近の車両(振動や揺れが少ない)を選ぶとより快適に過ごせます。
また、中国の高速鉄道は進行方向が変わることがあるので、どうしても「進行方向向きに座りたい」人は、座席選択時に確認すると安心です。

利用シーン・おすすめの人

■ 長距離移動で体力を温存したい人

中国は国土が広く、都市間の移動には数時間かかることも珍しくありません。たとえば北京〜上海や広州〜西安などの長距離路線では、座席の快適さが旅の疲れに直結します。ファーストクラスなら座席が広くリクライニングも深いため、しっかり休みながら移動でき、観光や仕事に元気な状態で到着できます。

■ ビジネス利用や出張

静かで落ち着いた環境は、出張やビジネス利用にもぴったりです。隣の席との距離感があるので、PCを広げて作業をしても窮屈さを感じません。また電源コンセントがあるため、移動時間を有効活用できます。2等席の賑やかさが気になる人には大きなメリットです。

■ 大きな荷物を持っている旅行者

スーツケースやバックパックなど、大きな荷物を持っている旅行者にもファーストクラスは便利です。足元のスペースに余裕があり、荷物を置いても圧迫感が少ないため、安心して移動できます。特に空港と都市を結ぶ路線では、ファーストクラスを利用することで「荷物の置き場に困るストレス」がぐっと減ります。

【体験談&利用する方がしておきたいその他の設備】

ファーストクラスを利用する方が事前に知っておきたいことがトイレや給湯器の有無だと思います。ここでは、写真を載せて解説しておきます。

トイレに関しては和式ではなく洋式の車両タイプがほとんどです。定期的に清掃もされるため、よっぽどのことがなければきれいに衛生的に使うことが出来ます。高速鉄道の揺れもあまり感じずに使うことができるとこも安心です。赤ちゃんのいる方はこちらでオムツの交換をすると良いでしょう。

また給湯器に関してですが、ほとんどの車両で使うことが出来ます。ファーストクラスの車両ではほとんど見ることが出来ました。近くにあるのでお茶でほっとしたいときや、インスタントコーヒーやカップ麺を食べたいときに非常に便利です。私も良く使っています。水の温度はとても高いので、ミルクを作る時も安心です。

その横には手洗い場とゴミ箱もあります。家族で旅行するときは、ここでよくミルクや離乳食を作っています。このスペースがあるのは大変ありがたい。

まとめ

中国高速鉄道のファーストクラスは、まさに 「2等席より快適で、ビジネスクラスよりお手頃」 な中間クラスです。座席の広さやサービスの質は格段にアップしながらも、料金はビジネスクラスほど高くないため、コストと快適さのバランスが取れています。

特に長距離移動では、体力を温存できる座席環境が大きなメリット。観光の合間の移動を「休憩時間」として活用できるのは、旅の充実度を高めてくれるでしょう。

「せっかく中国旅行に来たから、移動も快適に楽しみたい」――そんな方には、ファーストクラスがぴったりです。移動そのものをちょっとした贅沢に変えてくれる高速鉄道のファーストクラス、一度体験してみてはいかがでしょうか。

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