セブ市内の観光名所のひとつとして知られる「サンペドロ要塞(Fort San Pedro)」。16世紀に建てられたこの要塞は、マゼランの時代から続くスペイン統治の歴史と深く結びついており、フィリピン最古の要塞とも言われています。厚い石壁や砲台の跡は当時の姿を今に伝え、訪れる人に歴史の重みを感じさせてくれます。
規模はそれほど大きくなく、30分から1時間ほどで一回りできるコンパクトなスポットですが、その中にはセブの過去を物語る展示や緑に囲まれた中庭など、見どころがぎゅっと詰まっています。市内中心部にあるためアクセスも良く、気軽に立ち寄れるのも魅力。歴史好きはもちろん、散策や写真を楽しみたい旅行者にもおすすめの観光スポットです。
フィリピン最古の要塞がセブにあるとは知らなかったよ!
人気だけど、知る人ぞ知る隠れスポットだね!セブに来たらぜひ行ってみてほしい場所だよ!
サンペドロ要塞の歴史
サンペドロ要塞(Fort San Pedro)は、1565年にスペイン人ミゲル・ロペス・デ・レガスピによって築かれました。フィリピン最古の要塞とされ、当初は木造でしたが、のちに石造りに改築されて現在の姿になったといわれています。建設の目的は、現地の人々による抵抗や海からの他国の侵略に備える防衛拠点を確保するためでした。

その後もこの要塞は歴史の大きな転換期ごとに役割を変えてきました。スペイン統治時代には軍事施設として使われ、アメリカ統治下では兵舎や刑務所として利用されました。さらに日本占領期には収容所としても使われた歴史があり、フィリピンの激動の歩みを象徴する場所ともいえます。
現在では博物館として整備され、当時の写真や資料、アート作品などが展示されています。石壁や砲台の跡を歩きながら展示を見学することで、セブの人々が経験してきた歴史を体感できるスポットとなっています。

サンペドロ要塞の見どころ
厚い石造りの城壁や砲台跡
サンペドロ要塞を訪れると、まず目に入るのがその分厚い石壁です。築かれてから400年以上が経過してもなお堂々とした存在感を放っており、歴史の重みを感じさせます。壁の一部にはかつて火薬や弾丸を置いていた砲台跡が残っており、スペイン統治時代の防衛拠点としての役割を実感できます。城壁沿いを歩きながら、当時の兵士たちの視点を想像するのも楽しい体験です。

スペイン統治時代を感じられる建築様式
要塞全体は三角形の形をしており、スペインの築城技術を反映した造りになっています。城門や石壁の装飾には当時の建築様式が色濃く残っており、細部を観察すると歴史の息吹を感じられます。また、壁の厚みや配置からは、防御に重点を置いた設計思想がうかがえ、歴史好きにとっては見応えのあるポイントです。

小さな中庭
城内には緑に囲まれた静かな中庭があります。季節ごとに異なる植物の彩りが楽しめ、石壁とのコントラストが美しいためフォトスポットとしても人気です。散策の途中で少し腰を下ろし、歴史ある空間に身を置きながら休憩することで、当時の要塞の雰囲気をより身近に感じることができます。

展示室の資料やアート作品
内部の展示室では、スペイン統治時代の写真や資料、古地図、さらに現代アーティストによる作品まで幅広く展示されています。小規模ながらも内容は充実しており、城壁や砲台だけでは伝わらないセブの歴史や文化を学ぶことができます。展示をじっくり見ながら歩くことで、要塞の歴史的背景や当時の生活に思いを馳せることができます。

城壁の上から見下ろす景色
要塞の城壁には登ることができ、上からはセブ港や市街地を一望できます。石造りの歴史的建造物越しに見る現代の街並みは、過去と現在がつながる不思議な感覚を与えてくれます。特に夕方は夕陽に照らされた港や街の景色が美しく、写真撮影にも最適です。

観光の楽しみ方
サンペドロ要塞は、訪れる人の目的によってさまざまな楽しみ方ができるスポットです。まずおすすめなのが、写真映えスポットとしての魅力。長い年月を経た石造りの壁やアーチと、鮮やかな南国の植物が織りなすコントラストは、SNS映え間違いなしの風景です。特に中庭は自然光が美しく差し込み、旅行写真のワンシーンにぴったりです。

また、歴史に興味がある方なら展示室をじっくりと見学してみましょう。スペイン統治時代の資料や古い写真、当時の生活を伝える展示品は、セブが歩んできた歴史を深く知るきっかけになります。単なる観光地として訪れるのではなく、フィリピンという国の歴史的背景を理解できるのもこの要塞の魅力です。

一方で、要塞全体はそれほど大きくないため、散策や小休憩にもちょうど良い場所です。市内観光の合間に立ち寄り、ベンチでのんびり休みながら緑に囲まれた中庭を眺めるのもおすすめ。喧騒から少し離れて静かな時間を過ごせる、セブ市内の隠れた憩いの場でもあります。
【体験談&日本の甲冑】
ここサンペドロ要塞の展示室には昔の絵画が展示されていますが、それと合わせてなぜか日本の甲冑も展示されていました。日本の文化とここサンペドロ要塞との関りを感じることのできる面白い場所でした。

サンペドロ要塞へのアクセス方法
市中心部から徒歩でアクセス可能
サンペドロ要塞はセブ市の中心部に位置しており、マゼランクロスやサント・ニーニョ教会、セブ大聖堂などの有名観光スポットから徒歩で簡単にアクセスできます。街の主要観光地が密集しているエリアなので、観光の合間に立ち寄ったり、散策しながら訪れることが可能です。歴史散策と街歩きを同時に楽しめるため、時間を有効に使いたい旅行者には特に便利です。

タクシーやGrabでのアクセスも便利
市内のどこからでもタクシーや配車アプリのGrabを利用すれば、スムーズに要塞へ到着できます。特に荷物が多い場合や、日差しの強い時間帯には便利です。セブ港やマクタン・セブ国際空港からも比較的短時間でアクセスできるため、到着日や出発日の観光プランにも組み込みやすいスポットです。
周辺観光との組み合わせがしやすい
サンペドロ要塞は市内観光の中心にあるため、周辺の観光スポットとの組み合わせもしやすくなっています。例えば、徒歩でマゼランクロスやサント・ニーニョ教会を巡った後に訪れると、歴史の流れを一度に体感できます。また、近くにはローカルマーケットやカフェもあるため、散策途中の休憩にも便利です。
サンペドロ要塞の入場情報
入場料
サンペドロ要塞の入場料は非常に手頃で、大人30ペソ(約60円)、子ども・学生20ペソ(約40円)、シニア24ペソ(約50円)の数十ペソ程度で入場できます。歴史ある建物を間近で見学できるうえ、展示資料や中庭の散策も楽しめるので、コスパの良い観光スポットとして人気です。家族連れや学生旅行者にもおすすめです。

開館時間
要塞は8:00〜19:00まで開館しており、時期によって開館時間が多少異なる場合があります。観光の際は事前に最新情報を確認すると安心です。朝早く訪れると混雑を避けられるうえ、午前の柔らかい光で写真もきれいに撮れます。
所要時間の目安
サンペドロ要塞はコンパクトな施設のため、じっくり見学しても30分〜1時間程度で回れます。展示をゆっくり見たり、城壁や中庭を散策したりする時間を含めると、1時間程度見ておくと安心です。他の市内観光スポットと組み合わせやすく、モデルコースにも組み込みやすいのが魅力です。

【体験談&サンペドロ要塞前の露店】
サンペドロ要塞に行ったときに入場口のすぐ前に露店がありました。売っていたものはアイスで、売り主の様子を見ていると、私が20代のときに日本の秋田県で食べたババヘラアイスをなぜか思い出しました。大きな樽の中をこすってアイスを1つ1つ作っている様子は何とも魅力的でした。みなさんもここに行ったときはぜひ、セブ風ババヘラアイスを食べてみて下さい。

サンペドロ要塞と周辺スポットの観光
マゼランクロス
要塞から徒歩ですぐの場所にある「マゼランクロス」は、1521年にマゼランがフィリピンにキリスト教を伝えた記念として建立された十字架です。サンペドロ要塞とあわせて訪れることで、セブの歴史の流れをより深く感じられます。市内中心部にあるため、短時間で効率的に観光できるのも魅力です。

カルボンマーケット(ローカル市場)
要塞から少し歩くと、地元の生活を体感できる「カルボンマーケット」があります。新鮮な果物やシーフード、お土産品などが並び、観光だけでなくショッピングも楽しめます。ローカルな雰囲気を味わいながら散策するのもおすすめで、サンペドロ要塞の歴史散策と組み合わせることで、セブの文化をより立体的に体感できます。

効率的なモデルコース
サンペドロ要塞、マゼランクロス、カルボンマーケットを組み合わせると、市内観光の1日コースとしても回りやすくなります。歴史・文化・生活の三拍子を短時間で楽しめるので、初めてセブを訪れる旅行者にもぴったりです。
【体験談&ミゲル・ロペス・デ・レガスピのモニュメント】
サンペドロ要塞の外を出ると1つの大きなモニュメントがあります。これはミゲル・ロペス・デ・レガスピというフィリピン諸島を征服した初代監督のモニュメントになります。気に留めなければ素通りしてしまいそうですが、せっかくここに来たのであればぜひ立ち寄ってみて下さい。



まとめ
サンペドロ要塞は、セブ市内にひっそりと残る歴史的な建造物であり、セブの歴史を身近に感じられる小さな博物館のような存在です。厚い石壁や砲台跡、中庭や展示室を巡ることで、スペイン統治時代から現代までのセブの歴史を体感できます。
市内中心部に位置しているため、観光の合間に気軽に立ち寄れるのも大きな魅力です。マゼランクロスやサント・ニーニョ教会、カルボンマーケットなどの周辺スポットとあわせて訪れれば、1日でセブの歴史と文化を効率よく楽しむことも可能です。
歴史好きにはもちろん、フォトスポットとしても人気があり、城壁や中庭の風景を写真に収めるだけでも十分に楽しめます。セブ旅行の際にはぜひ立ち寄って、過去と現在が交差する独特の雰囲気を体感してみてください。