中国生活

本場の辛さに挑戦!重慶火鍋完全ガイド

「火鍋」と聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのは“真っ赤なスープ”と“口の中が痺れるような辛さ”ではないでしょうか。
そのイメージをまさに体現しているのが、本場・重慶の火鍋です。花椒(ホアジャオ)の痺れる辛さ=「麻(マー)」と、唐辛子の鋭い辛さ=「辣(ラー)」が織りなす刺激的な味わいは、一度食べたら忘れられません。

重慶の火鍋は、単なる食事ではなく地元の人々の生活に根付いたソウルフード。友人や家族が集まり、鍋を囲みながら会話を楽しむ時間そのものが文化として受け継がれています。街を歩けば、昼夜を問わず湯気と香辛料の香りが漂い、鍋を囲む笑顔があふれています。

旅行で重慶を訪れるなら、観光名所を巡るだけではもったいない。
熱気あふれる店内で、スパイスと旨みが渦巻くスープに具材をくぐらせる――そんな“本場体験”こそが、この街の魅力をより深く味わう方法なのです。

まるみ

重慶と聞くとやっぱり「火鍋」だよね!

まるもん

火鍋の頼み方や注意点を知って、おいしく食べられるようにしよう!

重慶火鍋の特徴

重慶火鍋の魅力を語るうえで欠かせないのが、その個性的なスープ。ベースは牛脂のコク深い旨みを土台に、たっぷりの唐辛子と花椒(ホアジャオ)を加えた麻辣(マーラー)味です。上でも書きましたが花椒の「麻(マー)」=舌が痺れる感覚と、唐辛子の「辣(ラー)」=鋭い辛さが絶妙に絡み合い、口の中で刺激と旨みが爆発します。

鍋の形にも特徴があります。本場の火鍋は「九宮格鍋」と呼ばれる仕切り付きの鍋を使うのが定番。9つの小部屋に区切られているため、具材を味や煮込み時間ごとに分けて入れられ、最後までスープが濁りにくいというメリットがあります。

具材のバリエーションも実に豊富です。定番は「毛肚(マオトゥ)」=牛の胃袋で、ほどよい歯ごたえが辛いスープと相性抜群。ほかにも、コリコリ食感の鴨腸(ヤーチャン)、コクのある血豆腐、シャキシャキ野菜、淡白な魚介類など、選ぶ楽しさは無限大です。

そして、重慶火鍋には欠かせないのが付けダレの「香油(シャンヨウ)」。ごま油をベースに刻みニンニクやパクチーを加え、辛さをやわらげながら香りを引き立てます。熱々の具材を香油にくぐらせる瞬間は、まさに本場ならではの至福のひとときです。

注文・食べ方の流れ

1.スープの辛さと種類を選ぶ

重慶火鍋のスープは基本的に麻辣(マーラー)ですが、辛さは「微辣(控えめ)」「中辣(普通)」「特辣(激辛)」などから選べます。

辛さが苦手な場合は「微辣」をおすすめします。また、辛くない白湯スープや、2種類のスープを楽しめる鴛鴦鍋(ユエンヤン)も人気です。

2.辛さ控えめを伝える中国語フレーズ

もし念押しで店員に伝えたい場合は下のフレーズを言うと良いと思います。

  • 「可以微辣吗?」(クーイー ウェイラー マ?)=辛さ控えめにできますか?
  • 「不要太辣」(ブーヤオ タイラー)=あまり辛くしないでください

3.具材を選ぶ

メニューから好きな具材を注文します。人気は毛肚(牛の胃袋)、鴨腸、血豆腐、各種野菜、魚介類など。辛さの合間に野菜や豆腐を挟むと食べやすくなります。

【体験談&ちょっと面白い具材】

私が火鍋を注文するときに店員さんが「ちょっと面白い具材があるよ」と教えてくれました。「なんだろう」と思って頼んでみたら、びっくり!赤色をした血豆腐でした。こちらは鴨の血を固めて作られたものだそうで、味はレバーに似ていました。始めは柔らかいですが、鍋で煮込むと硬くなるので食べやすかったです。見た目で少し気合がいりますが、みなさんもぜひ食べてみて下さい。

4.具材を入れる順番と煮込み時間の目安

  • 内臓系や肉類:火が通るまでじっくり煮る(特に硬いものは時間長め)
  • 野菜・きのこ類:さっと火を通す程度でOK
  • 毛肚などのホルモン系は、10〜15秒ほどサッと湯通しすると食感がベスト

5.地元流の食べ方のコツ

  • 付けダレの香油(ごま油ベース)をたっぷり使うと辛さが和らぎ、香りも楽しめます。
  • 冷たい飲み物は胃を冷やすため、辛さを一時的に和らげても消化にはあまり良くありません。地元では温かいお茶を合わせることが多いです。
  • 食べ進めるうちにスープが濁るので、具材ごとに分けられる九宮格鍋は味が混ざりにくく便利です。

【体験談&気を付けてほしい香油】

私が重慶に行く前に中国人の友達に注意した方が良いと言われたのがこの香油という油です。一般的に火鍋は具材を湯通しして、タレをつけてから食べますが、重慶ではタレの次に油を付けてから食べます。もしくはタレに油を入れて、一緒に食べるという人もいるそうです。ただ、この油が身体に合わず、お腹をこわしてしまう人が多くいるそうです。実際に私の中国人の友達も重慶に旅行に行ったときに、お腹をこわしてしまったそうです。なので、油を付けて火鍋を食べるときは気を付けて下さい。ちなみに私は当然のようにお腹をこわしました(笑)

おすすめ店紹介(2軒)

① 周兄大刀腰片火(解放碑店)

タイプ:地元でも観光客でも人気の本格派火鍋店

場所:解放碑エリア中心部、観光の合間に立ち寄りやすい好立地

特徴:看板メニューは「大刀腰片」=大きくスライスした新鮮な豚の腰肉。厚みがあるのに柔らかく、噛むたびに旨みが広がります。麻辣スープはコク深く、花椒の香りが立ち、辛さの中にも甘みと香りが感じられるバランス型。九宮格鍋での提供なので、具材を混ぜずに最後まで美味しく食べられます。

価格帯:中〜やや高め(1人あたり100〜150元程度)

ピーク時間:夜は特に混雑。事前予約または夕方早めの訪問がおすすめ

雰囲気:明るく清潔感があり、初めての人でも入りやすい

【体験談&お店に行った感想】

ここのお店は記念碑から近く、そこら周辺でショッピングや観光を楽しんでから徒歩で行くことのできるお店です。お店の雰囲気はよく、店員さんもすごく親切に声掛けをしてくれます。ここで特徴的なのが鍋の形。私の住んでいる深圳では鴛鴦鍋(おしどりなべ)と呼ばれる真ん中を曲線で区切られている鍋が多いですが、こちらのお店では中央に小さな鍋がついて区切られている形になります。なので、どちらか一方のスープの方が多くなるという点が特徴として見られます。外側は唐辛子や山椒、内側は木の実や根菜などのスープになっています。

実際にお肉を頼んでみましたが、本当に新鮮でおいしかったです。ちょうど食べやすいサイズで切られていた所もポイントが高いです。
調味料を取る場所では色々な種類があり、悩みましたが醤油やネギ、パクチー、にんにくの組み合わせで食べました。
お口直しに新鮮な野菜が食べられるのもありがたい。

② 巴将军·非原味火(解放碑店)

タイプ:重慶の伝統火鍋文化を堪能できる老舗系ブランド

場所:解放碑商業区の近く、観光帰りにもアクセス良好

特徴:「非物質文化遺産」に認定された伝統的な火鍋の味を守る店。牛脂と十数種類の香辛料を時間をかけて煮出したスープは、深みのある辛さと独特の香りが特徴です。おすすめ具材は毛肚、鴨腸、黄喉(豚や牛の動脈)など、本場らしいラインナップ。地元流に香油ダレで楽しむと、よりまろやかに味わえます。

価格帯:中価格帯(1人あたり80〜120元程度)

ピーク時間:週末や祝日の夜は地元客で満席になることも多い

雰囲気:昔ながらの重慶火鍋店らしい活気があり、鍋を囲む熱気が心地よい

【体験談&お店に行った感想】

こちらのお店も記念碑からアクセスが非常に良い場所にあります。店内は非常に広く、個室から大広間まで多種多様な場所があります。スタッフの方は非常に優しく、「辛いのは大丈夫?」「〇人だとこれぐらいのお肉の量があると良いかも」など細かくアドバイスをしてくれて、始めていく方にはありがたい接客だと思います。昼間や夜はすごく人が並ぶので1時間待ちは当たり前。時間をずらしてお店に行くのが良いと思います。

時間が空いている時の店内の様子
30分後には待っている人が手前の椅子に全員座っていました。
食べる前に出てくるエプロンのサービスが非常にうれしい。
タレやトッピングの種類が非常に多い。辛さはタレを使って後からでも調整できます。
軽食としてチャーハンや小物も食べ放題です。
鍋が沸騰するとマグマのような状態になります(笑)この湯気を吸うだけで周りの人達がせき込んでいました。
食材は非常に新鮮でした。1つ1つの品の量がとにかく多いので、店員さんに聞きながら注文をしていました。

火鍋をより楽しむためのポイント

辛さに弱い人への対策

火鍋の麻辣スープはとても刺激的なので、辛さに自信がない方は牛乳やヨーグルトドリンクを用意すると効果的です。これらは辛さを和らげる働きがあります。先に書いた通り、注意は必要ですが、付けダレの香油(ごま油ベース)を多めに使うと、口の中がマイルドになり、辛さをうまく調節できます。

衛生面で気をつけたいこと

生肉やホルモン類はしっかり火を通すのが大切です。店によっては提供前に新鮮なものを準備していますが、自己判断で生焼けを避けましょう。また、共有する箸やトングが別々に用意されているかを確認し、衛生面に配慮してください。

夜遅くまで楽しめる利点

重慶の火鍋店は多くが夜遅くまで営業しているため、観光やショッピングの後に訪れるのもおすすめです。にぎやかな夜の街並みとともに、熱々の火鍋を囲めば旅の疲れも吹き飛びます。

夏でも人気の理由

辛い火鍋は汗をかくことで体内の熱を発散し、むしろ夏でも爽快に楽しめると地元で評判です。冷房の効いた店内で味わう火鍋は、暑い季節でも新鮮な体験になるでしょう。

【体験談&とにかく暑いので対策は必須】

火鍋のお店では夏の暑い時にはほとんどの店でクーラーがついていますが、それでも食べていると汗がダラダラと出てくることがあります。なので、暑さ対策のためにもハンド扇風機やタオルなどは持って行った方が良いと思います。

観光との組み合わせ例

洪崖洞(ホンヤードン)

重慶といえばまず思い浮かぶ夜景スポットが洪崖洞。長江沿いの崖にせり出すように建つ木造建築群は、昼間のレトロな雰囲気も魅力ですが、夜になると提灯やライトで輝き、まるでジブリ映画の舞台のような幻想的な空間になります。観光客だけでなく、地元の若者にも人気の場所なので、訪れる時間帯によって表情の違う重慶を楽しめます。火鍋を食べる前に散策して写真を撮ったり、食後に夜景を眺めながら散歩したりと、組み合わせると旅の思い出が一層濃くなります。

解放碑(ジェーファンベイ)

重慶の中心にある繁華街で、ショッピングモールや飲食店が立ち並び、常に多くの人でにぎわっています。街のシンボルである「人民解放記念碑」を中心に広がる歩行者天国は、昼も夜も活気があり、重慶のエネルギッシュな空気を体感できます。火鍋の有名店もこのエリアに集まっているため、観光と食事を同じエリアで完結できるのも大きな魅力。観光で歩き回った後に、そのまま火鍋を楽しむのが地元流の過ごし方です。

人民大礼堂(レンミンダーリートン)

北京の天壇を模して建てられた重厚な建築で、重慶のランドマーク的存在です。赤と緑の鮮やかな配色に、大屋根が重なる壮大な姿は圧巻で、観光客にとっては絶好のフォトスポット。特に夜のライトアップは迫力があり、訪れる価値があります。文化施設や博物館とセットで訪れる人も多く、観光をじっくり楽しんだ後に近くの火鍋店で一息つくのがおすすめ。歴史的建築と地元グルメを同じ日に体験できるのは、重慶ならではの楽しみ方です。

来福士(ライフーシー)

長江と嘉陵江が合流する「朝天門」エリアに建つ大型複合施設で、未来的なデザインの高層ビル群が特徴的。展望台からは、重慶の街並みや川の景色を一望でき、昼間は雄大な自然と都市が調和する景色を、夜は宝石のように輝く夜景を楽しめます。施設内にはショッピングやカフェも充実しているので、観光途中の休憩にも最適です。観光を終えて夕方以降に火鍋店へ移動すれば、現代的な都市空間と伝統的な食文化を一度に味わえる、重慶らしい一日を過ごすことができます。

まとめ

重慶火鍋はただの食事ではなく、地元の人々と一緒に鍋を囲み、熱気や香り、会話を楽しむ“体験”そのものです。
その辛さとスパイスの刺激は、旅の思い出としていつまでも鮮やかに心に残るでしょう。

もちろん、辛いのが苦手な方でも香油を使ったり辛さを調節したりと工夫すれば、十分に楽しめるのが重慶火鍋の魅力です。

次回の重慶旅行では、ぜひ本場の火鍋に挑戦して、その熱気あふれる文化と味を体感してみてください。新しい発見と感動があなたを待っています。

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