中国・四川省の省都「成都」といえば、真っ先に思い浮かぶのがやっぱりパンダ。世界で最も有名なパンダの保護・研究施設があるのをご存じでしょうか?それが「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地」です。ここでは、かわいらしい赤ちゃんパンダから、のんびりと竹を食べる大人のパンダまで、まさに“パンダ天国”を体感することができます。
この記事の前編では、実際に訪れる前に知っておきたい基本情報をまとめました。アクセス方法や入場のコツ、ベストな訪問時間など、旅行の計画に役立つ情報をギュッと詰め込んでいます。後編では現地レポートや見どころを詳しく紹介しますので、ぜひセットで読んでみてください!
成都といえば「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地」だね!
日本のパンダも中国のここパンダ基地に返還されたね。今後パンダを見るために旅行者がどんどん増えると言われているね!チェックしておこう!
基地の概要と役割
「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(正式名称:成都大熊猫繁育研究基地)」は、1987年に設立された世界的にも有名なパンダの保護・研究施設です。成都の中心部から30分ほどでアクセスできる立地にあり、観光客にとっても訪れやすい場所にあります。
ここはただの「動物園」ではなく、絶滅危惧種であるジャイアントパンダの未来を守るための拠点。繁殖研究や保護活動を中心に、飼育技術の向上や自然環境の再現、さらには国際的な交流や教育活動も積極的に行っています。そのため、ここで生まれ育ったパンダが世界各国へ貸与され、各地でパンダファンを魅了しているのです。
観光客は、かわいいパンダたちを間近で観察できるだけでなく、「保護や繁殖にどのような取り組みがされているのか」を学ぶこともできます。まさに“エンタメ”と“学び”が融合したスポットといえるでしょう。

アクセス方法
成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地は、市内中心部から約10kmほど北東に位置しています。成都の中心部(天府広場や春熙路周辺)からであれば、移動手段はいくつかあり、滞在スタイルや人数によって選び方が変わってきます。
① タクシー・配車アプリ(DiDiなど)

もっとも一般的で便利なのがタクシーや配車アプリの利用です。成都のタクシー料金は日本と比べて安いため、30〜40分ほど乗ってもそれほど高額にはなりません。渋滞にさえ巻き込まれなければ、ドアツードアで快適に移動できます。中国語が不安でも、配車アプリ「DiDi」を使えば目的地を入力するだけなので安心です。グループ旅行や家族連れには特におすすめの方法です。
タクシーの乗り方が分からない方はこちらをご覧ください。

② 地下鉄+バスで行く方法

節約派やローカル体験をしてみたい方には、公共交通機関の利用も可能です。地下鉄3号線で「熊猫大道駅」まで行き、そこからバス(198路や198A路など)に乗り換え、約10〜15分で基地の入口付近に到着します。合計で1時間弱はかかりますが、地元の人と一緒に移動する感覚が味わえるのは貴重な体験です。ただし、早朝はバスの本数が限られている場合があるため、事前に時刻表を確認すると安心です。
地下鉄やバスの乗り方が分からない方はこちらをご覧ください。


③ ツアーバス・専用送迎

成都のホテルや旅行会社では、専用の送迎サービスや日帰りツアーを用意している場合もあります。料金はやや高めですが、ホテルから直行できるうえ、言葉の壁を気にしなくて良いので、初めての海外旅行や子連れ旅行には便利な選択肢です。
【体験談&訪問のベストタイミングは早朝】
どの交通手段を選んでも、到着はできるだけ午前中、特に開園直後(7:30〜9:00頃)を狙うのがベスト。理由はシンプルで、パンダたちは朝の涼しい時間に活動的になり、食事をしたり、遊んだりする姿を見せてくれるからです。日中は暑さや眠気でぐっすり寝てしまうことが多く、「寝ているだけのパンダしか見られなかった…」という旅行者の声も少なくありません。せっかく訪れるなら、早起きして朝イチで行くのが一番満足度が高い訪問方法です。
ちなみに上で書いた送迎バスについては色々な場所から出ています。下に写真を貼っておきますが、詳しくはネットで調べてみると良いと思います。通行ルートや支払いはQRコードで行います。


営業時間と入場料
営業時間
成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地の夏営業時間は 7:30〜17:30です。朝早くから開園しているので、前の項目でも触れたように「朝イチ訪問」が断然おすすめ。特に夏場は午前中に活発なパンダが見られる可能性が高いため、8時台までに到着できるとベストです。

チケット料金と購入方法
入場料は大人1人あたり約55元(時期によって変動する場合あり)と、観光地としては手頃な価格です。チケットは 現地の窓口 で購入することも可能ですが、繁忙期には行列ができることも。中国のチケット販売サイトや公式アプリを利用して 事前にオンライン予約 しておくと、スムーズに入場できます。最近は外国人向けに英語対応の予約サイトも増えているので、旅行前に確認しておくと安心です。


【体験談&合わせて事前にチェックしておきたいこと】
事前にチケットを購入しておくとインフォメーションセンターに行くことはないかもしれませんが、ここにはチケットを現地で買える以外に嬉しいオプションがあります。それがガイドの申し込みです。インフォメーションセンター斜め前にあるガイドの申し込み場所に行けば英語か中国語にはなりますが、スタッフの方が引率しながら園内を周ってくれます。話すことができる人はぜひ活用してみると良いと思います。



繁忙期の混雑回避のコツ
春節や国慶節、夏休みや週末は、開園直後から大勢の観光客が押し寄せます。人混みを避けたい場合は、
- できるだけ 平日 に訪れる
- 開園と同時に入園して人が少ないうちに人気エリアを回る
- 人が集中しやすい「赤ちゃんのいるパンダ館」は早めに行く
といった工夫が必要です。また、園内は広いため、人の流れと逆方向に回るのも意外と有効な裏ワザです。

💡 豆知識:繁忙期はチケット売り場でQRコードをスキャンして購入するスタイルが主流です。現金払いができない場合もあるので、Alipay(アリペイ)やWeChat Pay(微信支付)といった中国のスマホ決済アプリを準備しておくと安心ですよ。
季節や時間帯のベストタイミング
成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地は一年を通して観光客に人気がありますが、訪れる季節や時間帯によって見られるパンダの様子は大きく変わります。
夏場は午前中がマスト
成都の夏は蒸し暑く、気温が30度を超える日も多いため、パンダたちは午前中に活動を終えて日中は木陰や冷房の効いた部屋でゴロゴロ過ごすことがほとんど。特に活発に竹を食べたり遊んだりする姿を見たいなら、朝7:30〜9:30頃がベストです。午前中を逃すと「寝ているパンダばかり…」ということも珍しくありません。またパンダ観察のベストタイミングであるだけでなく、移動のことを踏まえて気温がちょうどいいということもあります。

【体験談&いかに日影に入るかがポイント】
実際に行ってみて思ったのが、ほとんど日向で涼しむポイントが少ないということ。バス停やショッピングができる場所は日影や涼しむ場所がありますが、それ以外はほとんど日向です。帽子や日傘、ハンド扇風機など暑さ対策をしっかり行いながら行って下さい。


冬場は比較的ゆったり観察できる
一方で、冬の成都は気温が低めで涼しいため、パンダが日中でも比較的活発に動きます。昼間に訪れてものんびりとした様子が楽しめるため、早起きが苦手な方は冬シーズンに合わせるのもおすすめです。
赤ちゃんパンダが見られるのは秋頃
もう一つの狙い目が 秋のシーズン(9〜11月頃)。ジャイアントパンダの繁殖期は春で、出産は夏に集中します。そのため、生まれたばかりの赤ちゃんパンダが一般公開されるのは秋ごろ。揺りかごや保育器の中で小さな体を寄せ合って眠る姿は、多くの旅行者の憧れの光景です。もし「赤ちゃんを見たい!」という方は、この時期に合わせて旅行計画を立てると良いでしょう。

まとめ:おすすめの訪問タイミング
- 夏 → 朝イチ必須!7:30開園直後を狙う
- 冬 → 午前〜午後でもOK、のんびり見学可能
- 秋 → 赤ちゃんパンダの公開シーズンに当たりやすい
- 春 → 花が咲き、園内の景観がきれいで写真映え
見どころの全体像
成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地はとても広く、敷地内にはいくつものエリアがあります。単に「パンダを見る場所」ではなく、研究施設や自然を感じられるスポットも揃っているため、散策しながら1日楽しめるのが魅力です。ここでは代表的な見どころをご紹介します。

① 大人パンダエリア
もっとも人気が高いのが、大人のジャイアントパンダが暮らすエリア。広々とした竹林の中で、のんびり竹を食べたり、木に登ったり、ひっくり返ってお昼寝したりと、それぞれ気ままに過ごしています。個体によって性格が違うため、じっと観察していると「食いしん坊」「おっとり」など個性が見えてくるのも面白いポイントです。

② 赤ちゃんパンダハウス
秋に訪れるなら絶対に外せないのがここ。生まれて間もない赤ちゃんパンダを見られる特別エリアです。まだ毛が薄く、ピンク色の体で保育器に入っている姿や、少し大きくなってから仲良くじゃれ合う姿は、訪れる人を一瞬で虜にします。公開状況はシーズンやその年の繁殖状況によって異なるため、訪問前に最新情報をチェックすると安心です。
③ パンダ博物館
基地内には、パンダの生態や歴史、保護活動の歩みを学べる博物館も併設されています。展示は写真や模型、映像などでわかりやすくまとめられており、子どもから大人まで楽しみながら理解を深めることができます。観光だけでなく、パンダ保護の大切さを考えるきっかけにもなるスポットです。

④ レッサーパンダエリア
「パンダ」といえば白黒のジャイアントパンダが有名ですが、ここでは愛らしいレッサーパンダにも会えます。体は小さめで赤茶色のふわふわの毛並み、活発で木の上を元気に動き回る姿は、ジャイアントパンダとはまた違った魅力。意外とファンになる人も多い人気者です。
⑤ 自然散策路
基地は自然豊かな丘陵地に作られており、園内を歩いて回るだけでも森林浴のような気分が味わえます。竹林や池、季節の花が咲く小道などが整備されていて、歩きながらリフレッシュできるのも嬉しいポイント。時間に余裕があれば、パンダだけでなくこうした景観も楽しみましょう。

【体験談&各スポットの間の移動】
この研究所は見どころが多いため、1〜2時間では駆け足になってしまいます。最低でも3時間以上は滞在できるスケジュールを組むと安心です。各スポットの間の移動は基本的に小型バスになります。園内に入ってすぐの階段を降りるとバス乗り場になるのでそこでチケットを購入して下さい。チケットはQRコード支払いとなります。

近くにはどのポイントでバスが停車するか記されている看板があったり、パンフレットがあります。写真や持っておくと便利です。


ちなみに支払いは1回きりです。違うポイントから乗車する際は、購入した後に出てくるQRコードの画面を見せれば乗ることができます。たくさん並んでいますが回転率がものすごく早いので、ほぼ待つことはありません。私は30分ぐらいかかるとスタッフに言われましたが、実質10分にも満たない時間で乗ることが出来ました。

シートベルトを着けてレッツゴーです。かなり早くて振り落とされそうになるので、スマホや日傘はかばんの中に入れておいた方が良いです。


訪問前の注意点
成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地をより快適に楽しむために、訪問前に押さえておきたいポイントをいくつかご紹介します。
① 歩きやすい靴は必須
園内は非常に広く、坂道や階段も多いため、快適に歩ける靴を用意しておくことが大切です。サンダルやヒールでは疲れてしまうので、スニーカーなどの歩きやすい靴がベスト。1日で1万歩以上歩くことも珍しくありません。
② 食べ物・飲み物の持ち込み
ペットボトルの水や軽食程度なら持ち込めますが、動物に与えることは禁止されています。園内には売店やカフェもあり、飲み物や簡単な軽食は購入可能。ただし、混雑する時期は行列ができやすいため、飲み物はあらかじめ用意しておくと安心です。

【体験談&持ち物とロッカーについて】
成都は夏場の湿度が高く、蒸し暑さを感じやすい都市です。日傘や帽子、虫よけスプレーも持参すると快適に過ごせます。ただあまり荷物が多いと動きづらいのも事実です。私はスーツケースを園内に入る前のインフォメーションセンターに預けました。かなり多くの保管場所がありますし、そこまで金額も高くないので預けていいと思います。出口が違う場所になるのでは?と思うかもしれませんが、園内を周回して戻ってくる場所はインフォメーションセンターの近くになるので心配いりません。


③ 撮影マナーを守る
かわいいパンダを写真に収めたくなりますが、フラッシュ撮影は禁止されています。フラッシュの光はパンダの目に負担を与えるため、必ずオフにしましょう。また、柵を越えて近づいたり、餌をあげようとする行為も厳禁です。観察はあくまで「静かに・優しく」が基本です。
④ ベビーカーや車いすの利用について
園内は比較的バリアフリー化されており、ベビーカーや車いすでも回れるようになっています。ただし、一部の坂道や階段ではやや不便な箇所もあるため、事前にルートを確認しておくと安心です。必要に応じて、入り口付近でベビーカーの貸し出しサービスが利用できる場合もあります。

【体験談&赤ちゃん連れにはめちゃくちゃありがたいサービス】
確かに荷物はロッカーにしまえますが、持ってくるまでや帰りに荷物がかさばるのは困ります。そんな中でありがたいサービスがベビーカーの貸し出しです。そのお値段なんと半日使っても「100円」。安すぎる!デポジットの支払いがありますが、何もなければ普通に返ってきます。荷物がかさばるのは困るという人はぜひ活用してみて下さい。


まとめ(前編)
成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地は、ただパンダを見るだけの動物園ではなく、世界的に重要な保護・研究の拠点でもあります。観光として訪れるときは、アクセス方法や営業時間、訪れる時間帯や季節によって体験が大きく変わるのがポイントです。
- 朝イチに行けば、活発に動くパンダの姿を見られる
- 秋は赤ちゃんパンダ公開のチャンスがある
- 園内は広いので、歩きやすい服装&持ち物を準備しておくと安心
前編では「行く前に知っておきたい情報」を中心にご紹介しました。次回の後編では、実際の訪問レポートや見どころを詳しく取り上げますので、旅行計画の参考にぜひチェックしてみてください。