中国・西安と聞いて何を思い浮かべますか?兵馬俑やシルクロードの起点として知られるこの街には、もう一つ忘れてはならない歴史的なランドマークがあります。それが「西安城壁(西安城墻)」です。
西安城壁は、中国に現存する中で最古かつ最大規模の城壁。その起源は唐の都・長安の時代にさかのぼり、現在の形は明代(14世紀)に再建されたものです。全長は約13.7km、高さ12m以上にもおよぶ堂々たる姿は、まさに歴史ロマンの象徴。
意外にも世界遺産には登録されていないものの、その保存状態の良さと圧倒的なスケールから、訪れる観光客に深い感動を与え続けています。歩いてよし、眺めてよし、さらには自転車で一周できるユニークな体験も人気です。
古都・西安の歴史と現代が交差するこの場所で、時の流れを感じながら特別なひとときを過ごしてみませんか?
西安の人気観光スポットを探したら必ずと言っていいほど出てくるね!
行く前に色んな情報を知っておくと城壁を楽しめるね!
基本情報
● 住所・アクセス
西安城壁は、西安市の中心部をぐるりと囲むように築かれています。特に観光で人気なのは「南門(永寧門)」エリア。
アクセスもしやすく、地下鉄2号線「永寧門駅」を出てすぐの場所に位置しています。西安駅からも徒歩15〜20分ほどで到着でき、初めての訪問でも迷いにくいです。
他にも「北門(安遠門)」「東門(長楽門)」「西門(安定門)」などの主要門から入場可能で、それぞれのエリアにも地下鉄の駅があります。
【体験談&少し難しい入り口までの入り方】
南門(永寧門)に入るためには少しコツがいります。門の周りはロータリーのような形になっており、横断歩道などはありません。なので城壁の入り口に入る際は、地下通路を通る必要があります。

北西側に赤色の鳥居のような入り口があるので、そこから入るようにしましょう。なお、エスカレーターはないのでお子様がいる方はベビーカーを持って行ってしまうとかなり荷物になってしまうと思います。

階段を下りたら、案内に沿って地下通路を進んでいきます。下の赤色の看板が目印です。

セキュリティチェックを受けたら、階段を上って城壁に入るためのインフォメーションに着きます。ここでは荷物の中身や飲み物のチェックを受けます。

● 営業時間
- 基本:08:00〜22:00(イベントにより変更有)
※ライトアップは夜も見応えがあり、特に夏場の夜は涼しくておすすめです。
● 入場料(2025年時点)
- 大人:54元
- 学生割引:27元
- ※門によってはチケット購入所が混雑するため、オンライン予約も検討を。

【体験談&チケットのオンライン購入の仕方が分からない方へ】
旅行者の方はWeChatPayやAlipayを使ってチケットを購入することに難しさを感じるかもしれません。窓口で購入したいという方は、階段を上がってすぐのところにインフォメーションセンターがあります。そちらで人数分を伝えてチケットを購入して下さい。

購入したら入場ゲートに行き、購入したチケットについているQRコードを読みこませて入っていきます。


● レンタサイクルについて
- 料金:一人乗り 約45元/二人乗り 約90元(90分以内)
- 南門、北門などで貸し出し&返却可能
- 電動ではなく普通の自転車なので、暑い日は少し体力が必要です
● 所要時間の目安
- 徒歩で一周:約4〜5時間
- 自転車で一周:約1.5〜2時間(途中休憩含む)
一部だけ楽しむことも可能。例えば南門〜西門間などは1時間前後で楽しめます。

見どころ
西安城壁は「登って終わり」ではありません。歩いて、眺めて、歴史に触れて、季節の移ろいまで感じられる、奥深い観光スポットです。ここでは、西安城壁の主な見どころを紹介します。
● 城壁からの眺め:歴史と現代が交差する絶景
城壁の上に立てば、西安市内を360度ぐるりと一望できます。片側には近代的なビル群、もう片側には昔ながらの住宅街や胡同(フートン)風の路地が広がり、古都と現代都市が共存する不思議な風景に出会えます。特に夕方や夜のライトアップ時は、幻想的な雰囲気に。

● 東西南北の門:特に「南門(永寧門)」は必見!
城壁には東西南北にそれぞれ主要な門があり、どこからでも入場可能です。中でも最も人気なのが南門(永寧門)。門楼や城楼の保存状態が非常によく、荘厳な門構えや、夜のライトアップが圧巻です。夜には赤い提灯や灯りがともされ、まるで映画のワンシーンのような雰囲気に包まれます。

● 城壁の歴史と構造:明代の軍事建築の粋
現在の西安城壁は、明の洪武年間(14世紀後半)に築かれたもので、当時の軍事技術と都市防衛の知恵が詰め込まれています。
全長約13.7km、城壁の高さは12m、幅は最大で15m以上もあり、一度に4頭立ての馬車が並走できたとも言われています。ところどころに見張り塔や門楼があり、まるでタイムスリップしたかのような気分に浸れます。

● 季節ごとの景色も魅力
春には花が咲き乱れ、秋には紅葉が美しく色づくなど、季節によって異なる表情を見せてくれるのも西安城壁の魅力のひとつ。特に春の城壁上から眺める街路樹の花々や、秋の夕暮れ空と紅葉のコントラストは、写真映え抜群です。夏は日差しが強いので、早朝や夕方の訪問が◎。

【体験談&ちょっとしたサプライズ】
私が訪れたときにたまたま、昔の兵隊の服装をした人たちが通り過ぎました。ここではある時間になると、歴史を感じさせる昔の服装をした職員さんが場を楽しませてくれることがあります。このほかにも、女性が昔のきれいな服を着て出歩いたりもしていました。本当に見られるのは一瞬なのでシャッターチャンスを逃さないようにして下さい。


おすすめの楽しみ方
西安城壁は「見るだけ」で終わらせるにはもったいない観光スポット。せっかく訪れるなら、ぜひ体験をプラスして思い出深い時間にしましょう。ここでは特に人気の3つの楽しみ方をご紹介します。
● 自転車でぐるっと一周してみよう!
西安城壁はなんと、城壁の上を自転車で走ることができる珍しい観光地。全長13.7km、1〜2時間ほどで一周でき、風を感じながら歴史の上を走る体験はここでしか味わえません。
【レンタルのポイント】
- 貸し出し場所:主に「南門」「北門」などにレンタルブースあり
- 料金の目安:一人用で約45元(90分以内)、二人乗りタイプもあり
- 注意点:電動アシストはなく、石畳がガタガタする箇所もあるのでスニーカー推奨。夏は帽子&水分を忘れずに!
途中で写真を撮ったり、ベンチで休憩したりもできるので、時間に余裕をもって楽しみましょう。
● 夜のライトアップで幻想的な世界へ
西安城壁は夜になると美しいライトアップが施され、昼間とはまったく違う表情を見せてくれます。特に南門(永寧門)周辺は赤い灯りや提灯が幻想的に輝き、まるで古代中国のドラマのワンシーンに入り込んだような気分に。
夏場は20時を過ぎると気温も落ち着き、散策にちょうど良い時間帯。夜の自転車利用も可能ですが、視界が暗くなるため、徒歩でのんびり楽しむのもおすすめです。
● 写真映えスポットはココ!
せっかくなら記念写真もしっかり撮っておきたいところ。特におすすめのフォトスポットは以下の通りです:
- 南門(永寧門)前の広場と門楼:昼も夜も人気。正面からのショットが映える!
- 城壁上の角楼(見張り塔):歴史を感じる建物と青空のコントラストが◎
- 城壁から見下ろす街並み:現代と伝統が交差する眺めがユニーク
また、春は花と城壁、秋は紅葉とのコラボもおすすめです。時間帯によって光の加減が変わるので、訪れる時間にもこだわってみましょう。

【体験談&個人的な楽しみ方】
インフォメーションに来るまでの地下階段の部分にこの城壁の全体マップがあります。個人的な楽しみ方はこのマップを写真に撮って、見ながら「今この辺かなー」「こっちの方角にはこれがあるのか」と色々な建造物を知りながら歩くのが好きです。暑い時には中々できませんが、涼しい時間帯や季節にマップを見ながら散歩をしてみると楽しいかもしれませんよ。


周辺のおすすめスポット
西安城壁を訪れたら、ぜひあわせて立ち寄ってほしい周辺スポットもたくさんあります。アクセスしやすく、街歩きやグルメも楽しめる西安中心部ならではの魅力をご紹介します。
● 鼓楼・鐘楼(徒歩でOK!歴史と写真映えの名所)
西安のシンボル的存在である「鐘楼(ベルタワー)」と「鼓楼(ドラムタワー)」は、城壁南門から徒歩15〜20分ほどの距離。明代に建てられた歴史的建造物で、どちらもライトアップが美しく、夜の散策にもぴったりです。
鐘楼は西安の中心に位置しており、放射状に街が広がる様子が見渡せます。鼓楼は、後述の回民街のすぐ隣にあるので、セットで訪れるのがおすすめ!

● 回民街(ローカルグルメの宝庫!)
西安を訪れたら絶対に外せないのが「回民街(フイミンジエ)」です。鼓楼のすぐ裏手に広がる食べ歩き天国で、イスラム系少数民族「回族」の人々が営む屋台や飲食店が軒を連ねています。
おすすめグルメ:
- 羊肉串(スパイスが効いたジューシーな串焼き)
- 羊肉泡馍(西安名物のスープ麺)
- 胡麻入りの焼き餅やスイーツ
異国情緒あふれる雰囲気と活気ある街並みは、歩くだけでも楽しくなります。

● 大雁塔・小雁塔(地下鉄で気軽にアクセス)
西安を代表する仏教建築「大雁塔」と「小雁塔」も、時間に余裕があればぜひ立ち寄りたいスポットです。
- 大雁塔:玄奘三蔵(三蔵法師)ゆかりの塔で、地下鉄3号線「大雁塔駅」から徒歩圏内。塔の周囲には噴水ショーや広場があり、夜のライトアップも見どころです。
- 小雁塔:観光客が比較的少なめで、静かに歴史を感じたい人におすすめ。地下鉄2号線「南稍門駅」からアクセス可能。
どちらも城壁から電車で20〜30分ほどで行けるので、1日観光の後半に組み合わせるコースとしてもぴったりです。

旅行のアドバイス
西安城壁を思いきり楽しむためには、季節や天気に応じた準備が大切です。ここでは、実際に訪れる前に知っておきたいポイントを紹介します。
● 季節別の服装&持ち物の注意点
- 夏(6月〜8月)
日差しが非常に強く、昼間は気温が35℃を超えることも。
→ 帽子・サングラス・日焼け止め・水筒(冷たい飲み物)は必須。通気性のよい服装で、無理のないスケジュールを。 - 冬(12月〜2月)
風が冷たく、城壁の上は特に体感温度が低くなります。
→ 手袋・マフラー・風を通さない上着があると安心。日の出〜午前中は特に冷えるため、午後の訪問が◎。 - 春・秋(3月〜5月、9月〜11月)
気候が穏やかで観光ベストシーズン。花や紅葉などの景色も楽しめます。
→ 天気が変わりやすい時期なので、薄手の羽織や折りたたみ傘を用意しておくと安心です。
● 天気に応じた訪問時間の工夫
- 快晴の日:午前中は光が強く、写真がくっきり映える時間帯。午前中〜昼が撮影向き。
- 曇りの日や夏の暑い日:日中を避けて、夕方〜夜にかけての訪問がおすすめ。ライトアップも楽しめます。
- 雨の日:石畳が滑りやすくなるので、滑りにくい靴を選び、歩きは短めルートで調整を。

● 城壁を歩くときの注意点
- 城壁上は屋根や木陰が少なく、直射日光を遮る場所がほとんどないため、夏は熱中症に注意。
- 飲み物の販売は一部の門付近にしかないので、水分は事前に準備しておくのがおすすめ。
- レンタサイクル利用時は、スカートやサンダルだと乗りづらいため、動きやすい服装&スニーカーがベスト。
- 石畳や段差があるので、お子さんや高齢の方は手すりのあるエリア中心に歩くのが安心です。

【体験談&暑さ対策】
西安城壁は日中はとにかく日差しが強く、直射日光から避けられる場所が多くありません。旅行者の私たちだけでなく、現地の方も暑そうにしていました。行く前には十分に水分補給できるものを持っていき、現地に行ってからも日影で休みながら、観光するようにして下さい。

まとめ
西安城壁は、古代の歴史と現代の都市文化が融合する、非常にユニークな観光スポットです。中国に現存する最古・最大級の城壁を実際に歩いたり、自転車で走ったりできる体験は、世界的に見ても珍しく、西安観光のハイライトといっても過言ではありません。
特に、城壁の上をぐるりと一周するサイクリング体験は「西安に来たら一度は試したいアクティビティ」。歴史を感じる石造りの城壁、遠くに見える高層ビル、門の前を行き交う地元の人々——それらすべてが、西安という都市の多層的な魅力を物語っています。
アクセスも良好で、周辺には鼓楼や回民街といった観光地やグルメスポットも充実。文化、景色、そして地元の空気感を一度に味わえる、非常におすすめの観光地です。
初めての西安旅行でも、歴史好きでも、アクティブに動きたい方でもきっと満足できるはず。ぜひ、あなたも西安城壁の上から広がる古都の風景を体感してみてください。