中国・桂林を代表する観光スポットといえば「象鼻山(シャンビシャン)」。漓江と桃花江の合流点にそびえるその姿は、まるで大きな象が水を飲んでいるかのように見えることから名付けられました。桂林市のシンボルとして市章や観光ポスターにも描かれるほど有名で、初めて桂林を訪れるなら外せない名所です。昼間は青い空と川に映る美しい景観を楽しみ、夜はライトアップされた幻想的な姿を堪能できるのも魅力のひとつ。今回は、象鼻山の見どころや歴史、アクセス方法まで詳しくご紹介します。
桂林に訪れたら、ほとんどの人が訪れる場所だね!
象鼻山は専用の竹船に乗って訪れる人が多い、景色が素晴らしい場所だよ!
見どころ
🐘 象の鼻と胴体の形
象鼻山の最大の特徴は、まるで本物の象が川に鼻を伸ばして水を飲んでいるような姿。その不思議な形は自然の侵食によってできたもので、何百万年もの時間が作り出した奇跡といえます。桂林を象徴する風景としてガイドブックやポスターにも数多く登場し、観光客にとってはまさに「桂林に来た証」となる撮影スポットです。

👁 象眼岩(鼻の下の穴)
象の鼻と胴体の間に空いた大きな穴は「象眼岩」と呼ばれています。この穴を通して漓江の景色を眺めると、まるで象が川の水面と一体化しているように見え、自然が生み出した芸術作品のよう。水面に映る象の姿を写真に収めると幻想的な一枚になり、昼間の青空や夕暮れ時の柔らかな光に包まれた時間帯が特におすすめです。

【体験談&竹いかだ乗船方法】
象鼻山に行ったときの見どころがやはりこの竹いかだに乗りながら象鼻山を見ることだと思います。ここでは乗る場所や乗り方について説明をしておきます。
象鼻山は一つの園内にある観光スポットです。園内に入るとほとんど一本道で、人の流れが一方向になるのでほとんど迷うことはありません。

下の写真が最初に象鼻山が見えてくる景色になります。この先を進んで行くと船乗り場が見えてきます。

徐々に竹いかだが見えてきます。船着き場は二か所ありますが、どの場所も近いので竹いかだが出ている方向へひたすら歩いていきます。

しばらくすると下の赤い看板が見えます。これが竹いかだに乗る申し込み場所です。大人は一人50元で乗ることができます。

料金を支払ったら、「向こうに行って!」と案内されます。ちょうど青色のテントが張ってあり、同じ赤色の看板が立てられています。


このテントに着いてからお金を支払ったことを伝えると、竹いかだに案内されます。いよいよ乗船です。このときスリッパをはいてきている人は脱げないように気を付けて下さい。また、滑りやすいので注意が必要です。


乗船して救命胴衣を着けたら運転開始です。最初からかなりの速さなのでスマホなど落とさないように気を付けて下さい。


右手に少し離れて見える象鼻山。左手には先ほど竹いかだを見ていた岸が見えてきます。


この時点で前はすごくいい景色が広がります。天気や気温が良い時は心地よさを感じます。

上流から下流に旋回すると前方に象鼻山が見えます。この時点で圧巻の風景です。

近くに行くとその大きさをより感じます。写真を撮っていると、竹いかだの運転手がゆっくり運転してくれたり、このスポットが映えるよと教えてくれました。

全部で2周してくれます。1回では撮り切れなくてもチャンスはあるので、2回目に映え写真を撮りましょう。

2周終わったら、下船準備です。合図があるまで動かなくて大丈夫です。合図が出たら自分で歩いて岸に飛び移ります。

🌙 水月洞
象鼻山の内部に広がる「水月洞」は、古来より「水に映る月が山の中に浮かぶ」と称えられてきた名所。漓江に映る月と洞窟の風景が重なり合うことで、まるで空にある月と川面の月が一つになったように見えるのです。唐代や宋代の詩人たちもこの景色に心を打たれ、多くの詩を残しています。現在では夜間にライトアップが施され、神秘的でロマンチックな雰囲気を味わえるスポットとしてカップルや写真愛好家に人気があります。

⛰ 山頂からの眺め
象鼻山の山頂までは遊歩道が整備されており、比較的気軽に登ることができます。山頂に到着すると、桂林市街の街並みと漓江の雄大な流れを一望できる絶景が広がります。川沿いの小舟や遠くの山並みまで見渡せるので、桂林の「山水画のような風景」を体感できる場所です。観光の合間に少し足を伸ばして登る価値は十分にあります。

【体験談&水月洞・山頂への行き方】
竹いかだから下船すると対岸に渡れる橋があります。渡ると右側の階段から上に昇ります。


看板がいたるところにあるので、その案内を見ながら水月洞・山頂の入り口に行きましょう。

途中で見られる山の洞窟を通りながら、どんどん進んで行きます。



山の岩肌にお店が出ているのが見えてきます。ここを通ったらもうすぐ到着です。

途中で登山道が見えます。山に登りたい人はここからぜひ行ってみて下さい。ただ、階段が急なので手すりにつかまったり、しながら登って下さい。

見えました。ここで2か所に分かれますが、どちらも行き止まりになります。詩など書いてあるのが良く見えるのは左側になります。

到着です!色々な詩人の詩が岩に刻まれているのが分かります。好きな方や読める方はぜひ見てみて下さい。
ちなみに、かなりこの場所は人混みがあります。また、地面が非常に滑りやすいので気を付けて下さい。何人かの人は滑りそうになっていました。


歴史・文化的な背景
📜 桂林八景のひとつ
象鼻山は、古くから「桂林八景」のひとつとして数えられてきました。漓江や周囲の山々とともに織りなす風景は、まるで水墨画のような美しさを持ち、地元の人々にとっても誇り高い存在です。現在でも多くの観光パンフレットや美術作品に描かれており、「桂林といえば象鼻山」と言われるほど象徴的な景観になっています。

✒️ 文人墨客に愛された名所
唐や宋の時代には、多くの詩人や文人墨客が象鼻山を訪れ、その美しい景色を題材にした詩や書を残しました。川に映る象の姿や洞窟に浮かぶ月は、自然と人間の調和を感じさせる風景として称えられ、数百年にわたって人々の心を魅了し続けています。現地の石碑や記念碑には、そうした歴史的な詩文が刻まれており、散策しながら当時の文化人たちの感性に触れることができます。
🐘 象の伝説
象鼻山にはユニークな伝説も残されています。昔、天界から一頭の象が降りてきて桂林の地に住みつき、人々の暮らしを助けていたといいます。しかしやがて天帝の怒りを買い、剣で貫かれてしまいました。その象の姿が岩山となり、今日の象鼻山になったという物語です。神話のようなエピソードが、この場所を単なる自然景観以上の「特別な存在」として人々に意識させてきました。
【体験談&歴史・文化を感じたところで出口へ】
見るものをみたらあとは出口に向かうだけです。先ほどの道を戻りながら出口へ向かいましょう。出口へ向かう方向だからこそ見れるものがたくさんあります。例えば歴史の書かれた壁画。ここ桂林に関係する詩人が紹介されています。時間があれば見てみて下さい。

行きにもありますが、帰りはゆっくりと伝統工芸品を見て帰るのもいいかもしれません。

中国では縁起の良い亀もいたので、甲羅をすべすべと触っておきました。

一つの道だけなので、迷うことはほとんどないと思います。出口が見えてきました。場所を選ばなければ出口はすぐに見つかるので大丈夫です。


アクセス方法
🚶 徒歩・タクシーでのアクセス

象鼻山は桂林市の中心部に位置しており、市街地からなら徒歩やタクシーで約10分ほどで到着します。中心部のホテルに宿泊している場合は、街歩きのついでに気軽に立ち寄れるのが魅力です。タクシーを利用すれば荷物が多い場合でも快適にアクセスできます。

🚉 鉄道駅からのアクセス

桂林駅からもアクセスは簡単で、タクシーで15分前後。駅近くにレンタル自転車や電動スクーターもあるため、天気が良ければ自転車での観光も楽しめます。市内の観光名所を巡るついでに訪れる場合にも便利です。

🚌 公共交通機関の利用

公共バスを利用する場合、1路や2路など象鼻山周辺を通る路線があります。バス停から象鼻山の入り口までは徒歩数分でアクセス可能。現地の人々と同じ交通手段を利用することで、観光だけでなく「桂林の日常」の雰囲気も感じられます。

【体験談&出入口はたくさんあります】
この象鼻山ですが、本当にたくさん出入り口があります。園外を周っているとすぐ見つかるのでチケットを購入して入って下さい。ただ、一日の入場上限があるのでチケットを購入する場合は出来る限り、事前にネットで購入したり、当日の朝早くに訪れたほうが良いです。


観光の楽しみ方
🌅 朝・夕方の光を楽しむ
象鼻山は時間帯によってその表情を大きく変えるのが魅力です。朝はまだ観光客も少なく、静かな漓江とともに象鼻山の全景をゆっくり眺められます。太陽の光が山肌や川面に反射して、水面に映る象鼻山のシルエットはまるで絵画のよう。夕方には、夕日がオレンジやピンクに山を染め、幻想的な風景を楽しむことができます。光の角度や季節によっても表情が変わるため、写真撮影や景色の観賞に最適な時間帯です。
🌃 ナイトライトアップ
夜になると象鼻山はライトアップされ、昼間とは全く違う幻想的な姿に変わります。ライトに照らされた象の輪郭と、川面に映る光の反射は、息をのむ美しさです。ナイトクルーズや夜の散策と組み合わせれば、昼間とはまた違った神秘的な雰囲気を満喫できます。夜景撮影を狙う場合は、混雑する時間帯を避けるとよりゆったり楽しめます。
🚶 公園内の散策
象鼻山周辺には遊歩道や公園が整備されており、観光の合間にのんびり散策するのもおすすめです。小道を歩きながら異なる角度から象鼻山を眺めたり、橋や休憩スポットで景色を楽しんだりできます。自然の音や鳥のさえずりを感じながら歩くことで、街中では味わえない静かなひとときを過ごせます。家族連れやカップル、友人同士での観光にもぴったりです。

⛴ 漓江クルーズとの組み合わせ
象鼻山観光のハイライトのひとつが、漓江クルーズとのセットです。川の上から眺める象鼻山は、陸上から見るのとは迫力がまったく異なります。水面に映る象の姿や、周囲の山々とのコントラストは、まさに「桂林の山水画」をそのまま体感しているかのよう。所要時間は短いクルーズでも十分に楽しめるため、午前中や午後の観光プランに組み込むのもおすすめです。時間がある場合は、昼間のクルーズと夕暮れクルーズの両方を楽しむと、光の違いによる景色の変化も味わえます。
【体験談&象鼻山園内外で楽しめる】
象鼻山の園内と園外では伝統工芸品や特産品が数多く売られています。ここ象鼻山だからこそ買えるものが多いので、訪れたときはぜひ立ち寄ってみて下さい。



園外にはお土産屋さんが多く立ち並んでいます。特産品を試食、試飲ができるところがたくさんあるので行ってみて下さい。



周辺スポットとの組み合わせ
🏯 日月双塔

象鼻山からほど近い場所にある「日月双塔」は、桂林を代表する歴史的建造物です。二つの塔はそれぞれ「日塔」「月塔」と呼ばれ、夜になるとライトアップされて幻想的な光景を作り出します。象鼻山観光とセットで訪れることで、桂林の自然美と歴史建造物の両方を楽しめるのが魅力です。川沿いにあるため、散策しながら写真撮影も楽しめます。
⛰ 独秀峰・王城景区

象鼻山の周辺には「独秀峰・王城景区」もあり、歴史や文化に触れたい旅行者におすすめです。独秀峰からは市街地や漓江の絶景を一望でき、象鼻山とはまた違った角度から桂林の景色を楽しめます。王城景区内には古い城壁や庭園もあり、散策しながら古代の雰囲気を感じることができます。自然景観と歴史的建造物を一度に楽しめるため、1日で複数のスポットを効率よく回る観光プランにぴったりです。
🛍 东西巷・正阳路步行街

観光の最後には、象鼻山から歩いて行ける「东西巷(東西巷)」や「正阳路步行街」でショッピングやグルメを楽しむのもおすすめです。地元の雑貨やお土産を見たり、桂林の伝統的な料理やスナックを味わったりでき、観光だけでなく「桂林の日常」を体験できます。象鼻山の自然美を楽しんだ後に、街の賑わいを感じるコースは、旅行者にとってバランスの良い観光プランになります。
まとめ
象鼻山は、桂林を訪れるなら絶対に外せない観光スポットのひとつです。その最大の魅力は、自然が作り出した象の形の岩山というユニークな造形美。昼間は青空と川に映る雄大な姿を楽しめ、夕暮れにはオレンジ色に染まる幻想的な風景、夜にはライトアップでロマンチックな景色が広がります。時間帯ごとに違った魅力を見せてくれるため、訪れるたびに新しい発見があります。
さらに、象鼻山はただの景勝地ではなく、古くから詩や絵画に描かれた桂林八景のひとつであり、唐・宋代の文人墨客が詩を詠んだ場所でもあります。伝説や歴史的背景を知ることで、自然美だけでなく文化的な深みも感じられるのが魅力です。
市内中心部からのアクセスも便利で、漓江クルーズや日月双塔、独秀峰・王城景区、东西巷・正阳路步行街などの周辺スポットと組み合わせれば、効率よく桂林観光を楽しむことができます。象鼻山はまさに桂林観光のスタート地点としてぴったりのスポットで、自然、歴史、街の賑わいを一度に体験できる理想的な観光地といえるでしょう。