桂林といえば「山水画のような絶景」で世界的に知られています。漓江を下ると目の前に広がる奇岩や美しい景観に圧倒されますが、実はこの街の魅力はそれだけではありません。桂林には、ここでしか味わえない独特の食文化が息づいています。
朝の屋台で地元の人と一緒に手早く朝食をとるのも楽しいですし、観光客向けのレストランでゆったりと郷土料理を堪能するのもまた旅の楽しみのひとつ。庶民的なグルメから少数民族の伝統料理まで、バラエティ豊かな食の世界が旅人を待っています。
今回は、桂林旅行で「これはぜひ食べてほしい!」という代表的なご当地グルメを紹介します。定番の米粉から、ちょっとディープな伝統料理、さらには食べ歩きにぴったりなお菓子まで。絶景と一緒に“食の桂林”も楽しんでみませんか?
桂林は景色だけじゃなくて、食べ物もおいしいものがたくさんあるんだね!
そうだよ!昔から有名な食べ物がたくさんあるよ!旅行した際はぜひ食べてみたいね!
桂林ならではの代表的な料理
◆ 桂林米粉(桂林ビーフン)
桂林といえば、真っ先に名前が挙がるのが「桂林米粉」です。細めの米粉を使ったビーフン料理で、桂林の人々にとってはなくてはならない日常食。地元の人は「朝ごはん=米粉」というほど、朝から屋台や食堂で米粉を食べる習慣があります。
種類は大きく分けて、熱々のスープに浸した「湯粉(タンフェン)」と、タレを絡めて食べる「干拌粉(ガンバンフェン)」の2つ。スープありは優しい味わいで食べやすく、初めての人でも抵抗なく楽しめます。一方、スープなしの混ぜ粉は、秘伝のタレが味の決め手。お店ごとに味が違い、食べ比べをするのも旅の醍醐味です。

トッピングはチャーシュー、漬物、ピーナッツ、揚げた豚皮など多彩。特にピリッと酸味のある漬物は、味にアクセントを加えてくれる欠かせない存在です。シンプルながら奥深い桂林米粉は、桂林を訪れたら絶対に外せないご当地グルメです。
◆ 啤酒魚(ビール魚)
次に紹介したいのが、陽朔を代表する名物「啤酒魚(ビール魚)」です。漓江下りの終点・陽朔で食べるのが定番で、多くの旅行者が観光とセットで楽しんでいます。
漓江で獲れた新鮮な川魚(一般的には草魚や鯉)を使用し、豪快にビールで煮込むのが特徴。ビールの効果で臭みが取れ、魚の身がふんわりと仕上がります。さらに、トマトや唐辛子、青菜などを加えて煮込むことで、酸味と辛味、そしてビールの香ばしさが絶妙に絡み合った味わいに。ご飯との相性も抜群です。

観光客にとっては「ちょっと特別なごちそう」ですが、地元ではお祝いの席や宴会料理としても親しまれています。レストランによって辛さや調味料のバランスが違うので、お店選びも楽しみのひとつです。
【体験談&おすすめの店】
私がこの啤酒魚を食べたのは、正陽歩行街のお店でした。ネットで口コミを見て、訪れましたが、本当においしかったのでここでご紹介しておきます。
店名:桂林特色农家菜金奖啤酒鱼
住所:正阳步行街77号(从解放东路与正阳路交叉路口沿步行街走进100米)
店の名前と住所は上に書いてある通りです。ここは青色の看板が目印で正陽歩行街に入ってすぐの場所にあります。

階段で2回に昇り、店内に入るとすぐに目に映るのが魚の入った水槽。生きた魚がなん十匹と泳いでいました。

水槽を通って店内に案内されたら、メニューをもらって注文します。このメニュー表がなんとも大きい。パネルになっていて、少し引きながら何にするか考えました。


ここで注文したのが啤酒魚とアヒルの姿焼き、あと白ご飯でした。この日は早めの時間に行ったので空いていましたが、いつもは行列ができるほどの人気店だそうです。注文すると、おかみさんが「こっち、こっち」と水槽の方へ案内してくれます。もしや、、、と思い、待っていると、水槽を指さして「どの魚が良い?」と聞いてきてくれました。やっぱりと思いながら「おかみさんが選んで」と言うと網ですくって、料理に使う魚を見せてくれました。重さをはかり、値段を聞いたらもう一度席へ移動。料理を待ちます。


しばらくして啤酒魚の良いにおいが店内を漂って来たら、料理のお待ちかね。啤酒魚が出てきました。そのほかの料理の写真も載せておきます。



出てきた瞬間にボリュームの多さを感じる料理たち。また、さっき料理を待っていた時に匂った香りを間近で感じることが出来ました。それから一口二口、、、とてもおいしかったです。啤酒魚は例えがたい、みそをベースとした奥行きのある味がしました。アヒルの姿焼きは食べやすいサイズに切ってもらい、食べましたが、こちらも本当に皮がパリパリしておいしかったです。
◆ 田螺酿(タニシ詰め料理)
少しディープな桂林グルメに挑戦したい人には「田螺酿」がおすすめです。これはタニシの殻を利用した詰め物料理で、桂林の伝統的な一品。
調理法はユニークで、まずタニシの身を取り出し細かく刻みます。そこに豚肉や香草、唐辛子などを混ぜ合わせ、再び殻に詰めてから炒めたり煮たりして仕上げます。外観は普通のタニシですが、一口食べると旨味がぎゅっと詰まった肉ダネと香辛料の風味が広がります。

お酒との相性が抜群で、地元の人たちは白酒やビールを片手に楽しむことも多いそうです。見た目のインパクトはありますが、食べてみると意外な美味しさに驚くはず。旅行中に「ここでしか食べられない味」を体験してみたい方には、ぜひチャレンジしていただきたい料理です。
◆ 海天肠粉(腸粉)
桂林の街角で気軽に味わえる軽食といえば「腸粉」。もともとは広東省発祥の料理ですが、桂林でも広く親しまれています。
米粉を溶いた生地を蒸して薄くのばし、その上に卵、エビ、チャーシュー、野菜などをのせてクルッと巻いたもの。見た目は春巻きに似ていますが、蒸して作るため生地はもっちり&つるんとした食感です。

桂林では特に「海天」というブランドの調味料をかけて食べることが多いため、「海天肠粉」と呼ばれることもあります。甘じょっぱい醤油ベースのタレと、香ばしいピーナッツソースの組み合わせはクセになる美味しさ。朝食やおやつ代わりに食べるのにぴったりで、街歩きの合間に立ち寄れる庶民的なグルメです。
【体験談&海天肠粉のおススメの店】
私が桂林に行って一番よく食べたのが、この海天肠粉です。肠粉に大きな海老がふんだんに入れられ、醤油ベースのタレとよく合っておいしかったです。ここでは私が実際に行っておススメするお店を書いておきます。

おススメのお店の店名と住所がこちら。
店名:海天肠粉
住所:太平路一巷与解放西路交叉口东北角
海天肠粉の名前がそのまま店名になっているというすごさ。人気店で大众点评というグルメアプリではかなり高い評価を得ています。中心街から離れることなく、アクセスしやすい場所にあります。お昼時に行くとものすごく長い行列に出くわすことになります。


店内から見た外の様子がこちら

店内に入ったらすぐにレジに行き、注文したい商品を伝えます。このとき、支払いも同時に行います。

注文、支払いが終わったらレシートをもらいます。このとき店内で食べるか、持ち帰りかを言います。持ち帰りの場合は、印をつけてくれます。

すごい人の量でした。厨房で料理をもらうのですが、入り口から厨房の真ん中までで10分ほどかかりました。

途中でおかゆの寸胴があります。店内で食べる場合はこれも無料で食べることができます。


ようやく厨房まで着きました。あとは、レシートを見せれば作ってもらえます。



手際よく作って頂き、無事に料理をもらうことができました。私は持ち帰りでお願いをしたのでタッパーに料理を入れてくれました。

辛さが欲しい人はテーブルの卓上に辛み調味料があるのでタッパーに自分で入れて持ち帰りましょう。


スイーツ・軽食
◆ 馬蹄糕(マーティーガオ/クワイのゼリー風菓子)
桂林で昔から親しまれているスイーツのひとつが「馬蹄糕」です。馬蹄(クワイ=レンコンに似た食材)の粉を使って作られるゼリー状のお菓子で、ほんのりとした自然な甘みと、つるんとした食感が特徴です。透明感のある見た目も涼しげで、夏場は特に人気があります。
屋台やローカル市場では大きな鉄板の上に流し固められた馬蹄糕を、包丁で四角くカットして販売していることも多く、食べ歩きにぴったり。クセがなく食べやすいので、小さな子どもから年配の方まで幅広く好まれる桂林の定番スイーツです。

◆ 桂花糕(グイフアガオ/キンモクセイのお菓子)
桂林の名前の由来にもなっている「桂花(キンモクセイ)」を使ったスイーツが「桂花糕」です。キンモクセイの花を砂糖漬けにしたシロップを生地に練り込み、ほのかな甘みと上品な香りを楽しめるお菓子で、まさに桂林らしさを象徴する一品といえます。

口に入れるとふわっと広がる桂花の香りは華やかで、他の中国菓子とは一味違った優雅さがあります。個包装されたタイプも多く、お土産としても人気。桂林旅行の思い出を持ち帰るのにぴったりなお菓子です。


【体験談&桂林で有名なフルーツ&寒天屋さん】
馬蹄糕や桂花糕も桂林では有名ですが、それ以外にも有名なフルーツ&寒天屋さんがあります。濃厚なものを食べた後に、さっぱりとしたデザートを食べたい方はおすすめです。ただワイマイをする場合は、単価が安いのでいくつかの商品を買わなければいけません。友達や家族とシェアしたりしながら食べるのをおすすめします。私は一人で食べましたが、かなり量が多くて困りました。
店名:苏姨糖水铺(太平路店)
住所:太平路1号

グルメを楽しむ場所
◆ 正陽歩行街(繁華街)
桂林市内で最もにぎやかな繁華街といえば「正陽歩行街」。夜になるとネオンが灯り、観光客や地元の人々で大いに賑わいます。通りには屋台やレストランが軒を連ねており、桂林米粉をはじめとするご当地グルメから、串焼きや甘味までバラエティ豊か。食べ歩きしながら散策するのにぴったりのエリアです。ショッピングやお土産探しも同時に楽しめるので、旅行者にとっては外せないスポットです。

◆ 东西巷(東西巷/歴史ある小路)
歴史情緒を感じながらグルメを堪能したいなら「东西巷」がおすすめ。明・清時代の建物を活かしたレトロな街並みが続き、散策するだけでも雰囲気抜群です。ここでは、田螺酿や桂花糕など桂林ならではの料理を味わえるほか、カフェや軽食のお店も点在。観光と食べ歩きを一度に楽しめる場所で、写真映えスポットとしても人気です。

◆ 陽朔西街
桂林市内から漓江下りを終えて辿り着く陽朔の「西街」は、外国人観光客に大人気のグルメストリート。石畳の通りにはレストランやバーがぎっしりと並び、中国料理だけでなく洋食や多国籍料理も充実しています。特に啤酒魚(ビール魚)は西街の名物で、観光客が必ずといっていいほど注文する一品。夜は音楽が流れるにぎやかな雰囲気に変わり、グルメとナイトライフを同時に体験できる場所です。
【体験談&いいお店を見極める難しさ】
それぞれの通りには有名なお店がたくさんあります。なので、どのお店に入るべきかすごく悩みます。そんな時は大众点评のアプリや街の方に聞いてみましょう。本当においしい隠れスポットを見つけることができるかもしれませんよ。



食文化の豆知識
◆ 酸味・辛味・香辛料が決め手
桂林料理の大きな特徴は、酸味と辛味、そして香辛料の使い方です。漓江流域は湿気が多いため、食欲を増進させる酸味や香辛料を効かせた料理が発達しました。唐辛子のピリッとした刺激や酸っぱさのある漬物は、ほとんどの家庭料理や屋台グルメに欠かせません。観光客にとっては少しパンチのある味に感じるかもしれませんが、これこそ桂林らしい食文化といえます。

◆ 少数民族の影響
桂林を含む広西チワン族自治区は、さまざまな少数民族が暮らす地域。特にチワン族をはじめとする民族の食文化が、桂林の料理に色濃く反映されています。例えば、タニシを使った「田螺酿」や発酵食品を使った料理は、民族料理にルーツを持つもの。都市部のレストランで提供されている料理にも、こうした伝統の味が息づいています。
◆ 朝ごはん文化=米粉
桂林を旅すると気づくのが「朝からみんな米粉を食べている」という光景です。出勤前に屋台でサッと食べる人、家族で食堂に立ち寄る人など、桂林の朝は米粉から始まるといっても過言ではありません。旅行者にとっても、早起きして地元の屋台で桂林米粉を食べてみるのは特別な体験。観光だけでなく、暮らしの一部として根付いた食文化に触れられる瞬間です。
観光との組み合わせ
漓江下り × ビール魚
桂林観光で外せないのが「漓江下り」。奇岩が連なる幻想的な風景を舟から眺めたあとは、陽朔に立ち寄って名物の「ビール魚」を楽しみましょう。川魚をビールで煮込むというユニークな調理法で、香ばしくふっくらと仕上がった魚は絶品。漓江の自然を体いっぱいに感じたあとに味わうご当地グルメは、旅の思い出をより鮮やかに彩ってくれます。

象鼻山・日月双塔 × 桂林米粉
市内観光の定番スポットである象鼻山や日月双塔は、昼も夜も異なる表情を見せてくれる桂林のシンボル。観光を楽しんだ後は、ぜひ地元のソウルフード「桂林米粉」でお腹を満たしましょう。スープあり・なしを選べる米粉は、トッピング次第で味わいが変わり、軽食としても食事としても楽しめます。老舗の小さな食堂に入れば、観光地の華やかさとは違う“日常の桂林”を体験できるのも魅力です。

夜市散策 × スイーツ食べ歩き
夜になったら正陽歩行街や东西巷の夜市へ。カラフルなライトに照らされた通りは昼間とはまったく違う雰囲気に包まれ、歩いているだけでワクワクします。ここでのおすすめは「食べ歩き」。馬蹄糕のぷるぷるとした食感や、桂花糕の上品な香りを楽しみながら散策すれば、観光とグルメが一度に味わえます。小さな屋台をめぐって、気になるスナックを少しずつ試すのも夜市ならではの楽しみ方。旅の締めくくりにぴったりの体験です。

まとめ
桂林といえば「山水画のような絶景」が有名ですが、実は食文化も旅の大きな楽しみのひとつです。米粉やビール魚といった庶民の味から、夜市でのスイーツ食べ歩きまで、観光とあわせて体験すれば旅の満足度はぐっと高まります。
地元ならではの料理を味わうことで、桂林の文化や歴史、少数民族の暮らしぶりまで垣間見ることができます。観光だけでなく「食」からも桂林を知ることで、旅はより深く印象に残るものになるでしょう。
ぜひ次に桂林を訪れる際は、絶景とともにグルメも旅の計画に加えてみてください。きっと忘れられない思い出になります。