中国南部に位置する広州(こうしゅう)は、歴史と経済が融合した大都市。古くから海外との交易が盛んで、多彩な文化や食文化が育まれてきました。そんな広州には、地元の人々や観光客に長年愛されている2つの有名な歩行者天国があります。
それが、「上下九歩行街(じょうげきゅうほこうがい)」と「北京路歩行街(ぺきんろほこうがい)」です。
上下九は歴史的建築が並ぶレトロな雰囲気が魅力。一方の北京路は、ショッピングモールやカフェが立ち並ぶ現代的なにぎわいが楽しめるエリアです。
この記事では、この2つの歩行街を実際に歩いて感じたそれぞれの魅力や、アクセス方法、食べ歩き情報などをわかりやすくご紹介します。広州旅行を計画中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
上下九歩行街とは?

概要・歴史
上下九歩行街(シャンシャージウ・ブーシンジエ)は、広州市荔湾区に位置する歴史的なショッピングストリート。清朝から民国時代にかけて建てられた建物が今も多く残っており、まるでタイムスリップしたかのようなレトロな雰囲気を楽しめます。特徴的なのは「騎楼(チーロウ)」と呼ばれる建築様式で、建物の1階部分がアーケード状になっており、日差しや雨をしのぎながら買い物ができる工夫が施されています。これは南方の都市ならではの風景です。
見どころ
上下九は、ショッピングというより「ぶらり街歩き」が楽しいエリア。骨董品や茶器などの雑貨店に加え、昔ながらの地元グルメが豊富にそろっています。特におすすめは、
- 双皮奶(シュアンピーナイ):ミルクプリンのような広東スイーツ
- 腸粉(チャンフェン):米粉のクレープに具材を巻いた蒸し料理
また、歩行街は珠江(広州の大河)にほど近く、夕暮れ時の散歩にもぴったり。道沿いの装飾や看板もレトロ感たっぷりで、写真映えするスポットがたくさんあります。
こんな人におすすめ
- 中国の古き良き街並みに触れたい人
- ローカルな食べ歩きを楽しみたい人
- 人混みよりもゆったりした雰囲気が好きな人
観光地としての派手さはないかもしれませんが、だからこそ広州の「本当の魅力」を感じられる場所です。
【体験談&南信牛奶甜品專家に行ってみて】
上下九をぶらぶら歩いていて、ひときわにぎわっているお店を発見。それが広州の老舗スイーツ店「南信牛奶甜品專家(Nánxìn Niúnǎi Tiánpǐn Zhuānjiā)」です。

創業は1940年とされ、地元でも大人気の牛乳スイーツ専門店。グルメサイトの表彰も何度も受けています。

お店の看板メニューは「双皮奶(シュアンピーナイ)」という、なめらかなミルクプリンのようなデザート。ほんのり甘く、ショウガやマンゴーをのせたものも選べます。温かいバージョンと冷たいバージョンが選べるのですが、私は冷たい方のマンゴーミルクプリンを注文しました。とろけるような口当たりと優しい甘さがクセになる味でした。

色々な種類のスイーツがあり、どれもリーズナブルで注文しやすいのも魅力です。地元の人に混じって、ちょっと休憩がてら楽しめる場所としてとてもおすすめです。
💡旅行者向けポイント
- メニューは写真付きで番号オーダーもOK
- 店内は混んでいることが多いが、回転は早め
- テイクアウトも可能!
上下九歩行街を訪れたら、ぜひ立ち寄っておきたい「地元で愛される甘味処」です。
📍 南信牛奶甜品專家 基本情報
- 所在地:広州市荔湾区第十甫路47号(上下九歩行街内)
- アクセス:地下鉄1号線「黄沙駅」B出口から徒歩約5分
- 電話番号:020‑8138‑9904
- 営業時間:9:30〜23:00(店舗により前後する可能性あり)
- 平均予算:約20元〜30元
北京路歩行街とは?

概要・特徴
北京路歩行街(ベイジンルー・ブーシンジエ)は、広州市の中心部に位置するにぎやかなショッピングエリアです。上下九歩行街が「レトロ」なら、こちらはまさに「モダンと歴史の融合」。大手ブランドや大型ショッピングモールが立ち並ぶ一方で、地下には約2000年前の南越国時代の石畳の古道が保存・展示されており、ガラスの床越しに見学することができます。この「遺跡通り」は、北京路ならではの見どころのひとつです。
見どころ
北京路は、買い物やカフェ巡りが好きな人にはたまらないスポット。
- ショッピングモール:天河城、五月花広場、広百など、有名モールが点在
- ファストファッション:ZARA、UNIQLO、H&Mなどが一通りそろう
- グルメ&カフェ:流行のスイーツや中華、バブルティー店も充実
また、夜になると通り全体がライトアップされ、昼とは違った華やかな雰囲気に。夜市感覚でぶらぶら歩くのもおすすめです。
こんな人におすすめ
- トレンドに敏感で、都会的な雰囲気を楽しみたい人
- ショッピングと観光を一度に楽しみたい人
- 写真映えスポットやSNS映えを探している人
特に初めて広州を訪れる方には、アクセスもよく安心して楽しめるエリアです。
【体験談&荔林食店に行ってみて】
北京路を散策した朝、ローカル感満点の朝ごはんを求めて立ち寄ったのが、「荔林食店(リリン・シーティエン)」。地元民の間では有名な老舗で、朝7時台からすでににぎわっている“朝食の名店”です。

店頭には好きな具材を選べるトッピングコーナーが並び、お粥(生滾粥)や米粉・麺と組み合わせて、自分好みの一杯を作れるスタイル。この日は、海老団子・豚レバー・青菜をトッピングした麺を注文。ほどよい柔らかさのある麺と、素材のうま味がじんわりしみ出したスープが絶品で、心と体にしみわたる優しい味でした。

店内は昔ながらの食堂といった雰囲気で、家族連れや常連さんが和やかに食事を楽しんでおり、広州の日常に溶け込んだ空気感を感じられます。

💡旅行者向けポイント
- メニュー表はありますが、トッピングの種類が多いので店員さんにおすすめを聞いてもOK
- 朝食は早めの時間帯に行くのがベスト(午後は売り切れの具材も)
- 支払いは現金・モバイル決済ともに対応
- テーブル番号の札を渡されて、料理が運ばれてきたら呼ばれるので聞き漏らさないことが大切

北京路周辺の散策前に、地元民も通うローカル朝食を味わってみたい方にはぴったりのお店です。
📍基本情報
- 所在地:広州市荔湾区西华路165号(北京路や上下九から徒歩10分程度)
- 営業時間:7:30〜16:00(朝食からお昼過ぎまで。売り切れ次第終了)
- アクセス:地下鉄1号線・5号線「西廂駅(彩虹劇院駅)」から徒歩すぐ、もしくは北京路から歩いて約10分
- 主なメニュー:海鮮入り粉麺、生滾粥(具材とお粥の合わせ)、特に人気はオーダー方式で好きな具を選ぶスタイル
アクセス・行き方
上下九歩行街も北京路歩行街も、広州市内の主要な地下鉄路線でアクセス可能。観光の合間に立ち寄りやすい便利な立地です。
◆ 上下九歩行街への行き方
- 地下鉄1号線「長寿路駅」、または「黄沙駅」で下車し、徒歩約5〜10分。
- 駅を出て少し歩くと、騎楼が並ぶレトロな通りが見えてきます。
💡旅行者向けポイント
・「長寿路駅」の方が飲食店やローカルな雰囲気にすぐ触れられるルート。
・「黄沙駅」からは珠江沿いの散歩とあわせて楽しめます。
◆ 北京路歩行街への行き方
- 地下鉄6号線または2号線「北京路駅」直結。
- 駅を出るとすぐ目の前に歩行街のメイン通りが広がっています。
💡旅行者向けポイント
・アクセスが非常に便利で、暑い日や雨の日でもほとんど濡れずに移動できます。
・天河エリアなど市中心部からも行きやすく、ショッピングとセットで回るのに最適です。
地下鉄の使い方が分からない方は下記の記事を読んでみて下さい。

比較してみよう!
上下九歩行街と北京路歩行街は、それぞれに異なる魅力があります。どちらに行こうか迷っている方のために、主な特徴を表にまとめてみました。
比較項目 | 上下九歩行街 | 北京路歩行街 |
雰囲気 | レトロ・昔ながら | モダン・にぎやか |
主な客層 | 観光客+地元民 | 若者・観光客 |
グルメ | ローカルフード多め | 全国チェーン多め |
買い物 | 雑貨・ローカル商品 | ブランドやファッション中心 |
見どころ | 騎楼・レトロ建築 | 地下の古道跡・大型モール |
あなたに合っているのはどっち?
- じっくり街歩き+食べ歩きを楽しみたい人には「上下九歩行街」がおすすめ。
→ 写真好き・中国の伝統文化を感じたい人にも◎ - 最新トレンドの買い物やカフェ巡りをしたい人には「北京路歩行街」がぴったり。
→ 都会のにぎやかさを楽しみたい人、観光ついでにショッピングをしたい人に◎
時間に余裕があれば、どちらも訪れて比べてみるのもおすすめです!
まとめ
上下九歩行街と北京路歩行街は、それぞれ異なる魅力を持つ、広州を代表する観光スポットです。
上下九では、昔ながらの街並みを歩きながらローカルフードを味わい、広州の歴史と人々の暮らしを感じることができます。一方の北京路では、ショッピングやカフェ、遺跡見学まで楽しめる、モダンでにぎやかな街歩きができます。
どちらも地下鉄でアクセスしやすく、気軽に立ち寄れるので、時間に余裕がある方はぜひ両方訪れてみてください!
「レトロ派?それともモダン派?」あなたの好みにぴったり合う街がきっと見つかるはずです。
広州旅行の際には、ぜひこの2つの歩行街を歩いて、自分だけのお気に入りスポットを探してみてくださいね。
おまけ:広州歩行街観光の豆知識
せっかく広州の歩行街を訪れるなら、ちょっとした豆知識を押さえておくと、より快適に楽しめます!
◆ 週末や夜は特ににぎやか
上下九・北京路ともに、週末や祝日、夜の時間帯は地元の人や観光客でかなり混雑します。人混みが苦手な方は、平日の昼間の訪問がおすすめです。

◆ スリや混雑には注意
どちらも人通りが多いエリアなので、スリには要注意!
バッグは体の前に抱えるようにし、スマホや財布の管理には気をつけましょう。写真を撮るのに夢中になっている間に…というケースも。
◆ WeChat Pay/Alipayがあると便利
歩行街内の飲食店や屋台、ショップでは現金よりもモバイル決済が主流です。
WeChat Pay(微信支付)やAlipay(支付宝)が使えるとスムーズに支払いができ、ストレスフリーに観光を楽しめます。旅行前に準備しておくのがおすすめ!