深圳湾口岸から香港国際空港までの移動は、初めてだと少し不安に感じる方も多いのではないでしょうか。バスやMTR(地下鉄)などの公共交通も利用できますが、荷物が多い場合や子連れの旅行では、移動だけで疲れてしまうこともあります。
そんなときに便利なのが「相乗りリムジンタクシー」です。複数の乗客で1台をシェアすることで、個人タクシーよりもリーズナブルで快適、しかも荷物の心配も少なくドアツードアで移動できます。
私も何度か利用していますが、当日申し込みでもスムーズに乗車でき、車内も快適。実際の体験を交えながら、今回は深圳湾口岸から香港国際空港までの相乗りリムジンタクシーの便利さや利用方法をご紹介します。
深圳⇔香港のリムジンタクシーの乗り方を知っておくと移動がスムーズになるね!
香港国際空港からの飛行機は周辺の空港から離着するより安いから、この方法を知っておくだけで労力とお金をだいぶ節約することができるよ!
相乗りリムジンタクシーとは?
相乗りリムジンタクシーは、複数の乗客が1台の車をシェアして空港まで移動するサービスです。個人タクシーに比べて料金が安く、バスよりも快適に移動できるのが大きな特徴です。
荷物が多くても安心で、ドアツードアで目的地まで運んでもらえるため、旅行者にとって非常に便利な移動手段です。特に初めて香港空港を利用する方や、荷物や子連れでの移動が不安な方にはおすすめです。

利用方法
深圳湾口岸から香港国際空港へ行くときの利用方法

乗車方法
特に事前予約をする必要はありません。現地で直接カウンターや呼び込みの人(オレンジの服を着ている人)に声をかけるだけで乗ることが出来ます。特に朝や夕方は混雑しますが、その分回転が早いため、待ち時間が非常に長くなるということはありません。

出発場所
深圳湾口岸の出境口を出る前、指定の相乗りリムジンタクシー乗り場で待機します。下にだいたいの乗り場の地図を載せておきます。乗り場には案内板やスタッフがいる場合が多く、迷うことはほとんどありません。ただ、注意して頂きたいのは、ここには個人で経営している呼び込みの業者もいます。かならずオレンジ色の服を着ているか、「環島中港通(ハンダオ・ジョンガントン)の職員か?」と聞くようにして下さい。
聞くときのフレーズ!このまま見せてもOKです!
「環島中港通のスタッフですか?」
请问您是环岛中港通的工作人员吗?
(Qǐngwèn nín shì Huándǎo Zhōnggǎngtōng de gōngzuò rényuán ma?)
時間
出発時間はリムジンタクシーの中の人数が満員になる時です。なので、混雑していなければ待ち時間が発生する可能性があります。混雑時であればほぼ待ち時間なくタクシーが発車します。どちらにせよ待ち時間があるかもしれないので余裕を持って行動するようにして下さい。所要時間は渋滞状況にもよりますが、平均で約30~40分程度です。

支払い方法
支払いはQRコード決済になります。以前使用したときは現金(おつりなし)、クレジットカード支払いが出来ましたが、念のためQRコード決済ができるようにしておいた方が良いと思います。オレンジ色の服を着た人がQRコードを提示してくるので指定金額を入力して支払って下さい。
乗車から目的地までの流れ
乗車してから目的地までの流れは以下のようになります。
①オレンジの服を着ている業者に声をかけて支払いを済ませます。
②リムジンタクシーに乗車して人数がそろうまで待ちます。
③円のように回る道を進み、車専用の中国出境窓口に行きます。このとき、パスポートを出す準備をしておくと良いです。

➃運転手にパスポートを渡します。乗車している人、全員集められます。運転手が職員に渡して手続きをしてくれます。この時間はほとんどかかりません。このとき、車の後ろのドアを運転手が開けますが、職員が車の中に隠れている人がいないかチェックするためなので特に気にしなくて構いません。

⑤パスポートを職員が運転手に返します。運転手が乗員にパスポートを配ってくれます。私の場合は乗員同士でパスポートを渡し合いました。
⑥しばらく進んで車を降ります。ここで中国を出境する手続きを行います。時間はほとんどかかりません。ここでの注意点が下りた車のナンバーを覚えておくということです。忘れそうであれば降りて車のナンバーを撮っておきましょう。


⑦出境したら、もとの乗っていたタクシーに乗車します。このとき、乗員全員の手続きが終わらなければ発車しません。自分の手続きに時間がかかっても乗り遅れることはないので安心して下さい。

⑧車に全員が乗ったら出発。香港の入境手続きを終えたら高速道路に乗って、空港まで行きます。ここまでの全工程で10分から15分ぐらいです。途中でトイレに行きたい場合や気分が悪くなった時は遠慮なく言って構いません。気軽に車を止めてくれます。

⑨空港に到着です。ここまでの乗車時間でだいたい30分ほどでした。

⑩ターミナルに着いたら降車します。スーツケースを運転手の人が下ろしてくれるので自分のものをもって空港内に入りましょう。


⑪入り口は一つなので迷うことはありません。安心して下さい。

香港国際空港から深圳湾口岸へ行くときの利用方法

乗車方法
香港国際空港からの利用も、オンライン予約やアプリで事前に予約する必要はありません。空港内の現地カウンターで申し込めばほとんど待ち時間なしで乗車することが出来ます。こちらも空いていれば、人数が集まるまで待つ必要があります。逆に混雑している場合はすぐに乗車場所まで案内されます。香港国際空港の出口を出て左側に進むと大きなスクリーンがあります。ここの右側にタクシー申し込みのカウンターがあります。私が使ったのは「永東直巴 (Eternal East Bus)」でしたが、色々な業者があるので確認するのも良いと思います。そこで人数と目的地を伝えて下さい。
聞くときのフレーズ!このまま見せてもOKです!
「永東直巴のスタッフですか?」
请问您是永东直巴的工作人员吗?
(Qǐngwèn nín shì Yǒngdōng Zhíbā de gōngzuò rényuán ma?)

出発場所
リムジンタクシーの申し込みが終わり、支払いが終了したらカウンター前の席で待機します。人数がある程度揃ったら業者の人が案内してくれるので、迷うことはありません。また、個人の呼び込みの業者もいないので安全にスムーズに乗車することが出来ます。少し位置はずれますが、リムジンタクシー申し込みカウンターと案内後の最終の地下駐車場の地図を貼っておきます。

時間
上でも書きましたが、ほとんど乗車までの待ち時間はないので、乗っている間の時間だけで考えることができます。私が乗ったときは乗車するまでに5分ほどかかるだけでした。乗車所要時間は交通状況にもよりますが、約35分程度で深圳湾口岸に着きました。

支払い方法
中国ではなく香港での支払いなので現金(おつりなし香港ドルがベスト)、クレジットカード、QRコード決済など、複数の方法が選べます。中国側に入境するため、この時点でパスポートや入境書類の準備も忘れずに行いましょう。
乗車から目的地までの流れ
乗車してから目的地までの流れは以下のようになります。
①香港の到着ゲートから出てきたら、左側の大きなスクリーンを目指して歩きます。
②バスとタクシーの看板(永東直巴)が見えたら、カウンターに行って、目的地と人数を伝えます。
③お金を支払って、カウンター前の席で車が満員になる人数が揃うまで待ちます。時々そろわなくても発車することがあります。ちなみに支払いの際にレシートと一緒にQRコードのついた紙を人数分渡されますのでなくさないようにして下さい。乗車するときに使います。
➃揃ったら係員の案内に従って、移動します。このとき、カウンターでもらったステッカーを体のどこかに貼っておく必要があります。


⑤エレベーターを降りて1階の駐車場に行きます。


⑥乗車位置まで誘導されたら、支払いの時に渡されたQRコードの紙をスキャンしてもらいます。あとはスーツケースを近くにいるスタッフに渡します。

⑦スーツケースを積んでもらったらタクシーに乗車して出発です。

⑧深圳湾口岸に到着です。行きと同じようにパスポートを運転手に渡して、香港の出境手続きを車の中にいながら行います。


⑨パスポートを再び運転手から返してもらいあとは車から下ります。行きと違うのは、中国の入境手続きは別の場所で行うことは出来ず、大きな建物に入ってから行わなければならないということです。ここでリムジンタクシーとはお別れです。


料金と所要時間
相乗りリムジンタクシーの料金は、大人1人あたりおおよそ150~200香港ドル前後(約3,000円~3,500円)が目安です。料金には通常のスーツケース1個が含まれますが、大型荷物や追加のスーツケースがある場合には、別途追加料金が発生することもあります。小さな手荷物は無料で持ち込めることが多いので、申し込み時に確認しておくと安心です。
所要時間は、深圳湾口岸から香港国際空港まで約30~40分程度が一般的です。ただし、出入境審査や香港市内の交通渋滞によっては1時間以上かかることもあるため、フライトのチェックイン時間に余裕を持って出発するのがおすすめです。
他の移動手段と比べると、以下のような特徴があります。
個人タクシー
・料金:約400~500香港ドル(約8,000円~10,000円)
・所要時間:約30~40分
バス(+MTR)
・料金:約100香港ドル未満(約2,000円前後)
・所要時間:約1.5~2時間
相乗りリムジンタクシー
・料金:約150~200香港ドル(約3,000円~4,000円中間的な価格)
・所要時間:約30~40分
つまり、相乗りリムジンタクシーは「バスほど安くはないが、個人タクシーよりはずっとお得」で、快適さとコストのバランスに優れた移動手段といえます。
ただ、個人的にリムジンタクシーは行き(深圳湾口岸から香港国際空港へ行くとき)では価格的にも労力的にもかなりメリットがありますが、帰り(香港国際空港から深圳湾口岸へ行くとき)は価格以外はメリットを感じません。
私が「少し急いでいる時」や「3人ぐらいで一緒に乗る時」は間違いなく個人タクシーを使うと思います。
注意点・コツ
相乗りリムジンタクシーはとても便利ですが、快適に利用するためにはいくつか注意しておきたい点があります。実際に利用した経験をふまえ、チェックしておきたいポイントをまとめました。
① パスポートや入境書類を必ず携帯
深圳湾口岸を経由して香港に入境するため、パスポートはもちろん、ビザや健康申告書(必要な場合)などの入境関連書類は忘れずに準備しましょう。うっかり荷物に入れてしまい、取り出せず慌てる人も少なくありません。スムーズに審査を通過できるよう、手荷物に入れておくのがおすすめです。
② 出発時間は余裕をもって
香港は交通渋滞が多く、特に朝夕のラッシュや週末・祝日は移動に時間がかかることがあります。また、出入境審査に長蛇の列ができることも。フライトの3時間前を目安に空港に到着できるよう、余裕を持ったスケジュールを立てると安心です。
③ 乗客が揃うまで待つ場合もある
相乗りサービスの特性上、ほかの乗客が集まるまで待機時間が発生することがあります。10〜20分程度ならよくあることなので、焦らず待ちましょう。特に深夜早朝は、台数や乗客数の関係で思ったより待つこともあるので、事前に時間にゆとりをもって行動するのがポイントです。
④ 荷物の大きさ・数に注意
基本的にはスーツケース1つと手荷物1つまでは料金に含まれていますが、大型の荷物や2つ以上のスーツケースを持ち込むと追加料金がかかることがあります。サーフボードやベビーカー、大型機材など特殊な荷物は事前に確認が必要です。旅行後にお土産で荷物が増える人は要注意です。
⑤ 安全面・快適さにも配慮を
相乗りリムジンタクシーは基本的に快適ですが、ドライバーによって車内環境(冷房の強さや運転スタイル)が違う場合もあります。体調に不安がある人は上着を用意したり、必要に応じてドライバーに声をかけたりできるよう心づもりをしておくと安心です。
まとめ
深圳湾口岸と香港国際空港を結ぶ相乗りリムジンタクシーは、荷物が多い旅行者や初めて香港空港を利用する方にとても便利な移動手段です。料金は個人タクシーよりリーズナブルで、バスよりも快適。そのため「費用と快適さのバランス」を重視する人にぴったりです。
利用にあたっては、予約方法や乗車時間、荷物のルールなどに少し注意する必要がありますが、それさえ押さえておけばスムーズに空港まで移動できます。特にフライト前後の大切な時間を、ストレスなく過ごせるのは大きなメリットです。
もちろん、バスやMTR、個人タクシーなど他の移動手段にもそれぞれの良さがあります。今回ご紹介した相乗りリムジンタクシーは、その中でも「効率」「快適さ」「コストパフォーマンス」を兼ね備えた選択肢のひとつ。自分の旅のスタイルに合わせて、最適な方法を選んでみてください。