中国生活

中国最大級のイスラム寺院・西安清真寺を訪ねて|観光ポイントと注意点

鐘楼から歩いてほどなく、にぎやかな回民街の奥に、静かにたたずむ一角があります。そこが西安大清真寺
唐代から続くこのモスクは、中国最大級の規模を誇り、中国風の宮殿建築とイスラム文化が融合した独特の姿で知られています。

シルクロードの玄関口として栄えた西安では、さまざまな文化が交わりましたが、この清真寺はその象徴ともいえる存在。
赤茶色の瓦屋根や木造の門、アラビア文字の彫刻が調和する風景は、まるで時代と文化を超えたタイムスリップのようです。

観光で訪れる人はもちろん、今も礼拝の場として地元のムスリムに大切にされているこの場所。
今回は、その魅力や見どころ、訪問のヒントをたっぷりご紹介します。

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中国にイスラム系の寺院があるんだ!

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知る人ぞ知る秘境だよ!隠れスポットでもあるから人気が出る前に行っておこう!

基本情報・概要

正式名称は「西安大清真寺(Xī’ān Dà Qīngzhēnsì/Xi’an Great Mosque)」で、回民街エリアの中心部に位置しています。西安駅から車で約15分、鐘楼からは徒歩10分ほどとアクセスも良好。周囲は回族(イスラム教徒)の街並みが広がり、食べ歩きで有名な回民街とセットで訪れる旅行者が多いスポットです。

敷地面積は約1万2千平方メートルと、中国国内でも最大級の規模を誇るイスラム寺院のひとつ。創建は唐代(742年頃)とされ、長い歴史の中で何度も改修されてきました。

最大の特徴は、中国の宮殿建築様式とイスラム文化が融合したユニークな外観です。赤茶色の瓦屋根や木造の楼門、精緻な木彫り装飾と、アラビア文字の装飾が同居する姿は他ではなかなか見られません。イスラムの礼拝施設でありながら、中国庭園のような美しさを持つことから、多くの観光客を魅了しています。

  • 入場料:25元(時期により変動あり)
  • 営業時間:8:00〜19:00(冬季は〜17:00)
    ※礼拝時間中は一部エリアが見学不可の場合あり

歴史背景

西安大清真寺の創建は、唐代・天宝元年(742年)頃と伝えられています。
当時の西安(長安)は、シルクロードの東の起点として世界各地から人・物・文化が集まる国際都市でした。中央アジアや中東から訪れた商人や外交使節の中にはイスラム教徒も多く、彼らの信仰の場としてこのモスクが築かれたとされています。

この地に暮らすイスラム教徒は「回族」と呼ばれ、中国の少数民族のひとつです。彼らは交易や文化交流を通じて中国に定住し、独自の生活様式と信仰を守りながらも、中国社会と深く融合してきました。西安大清真寺は、その歴史と文化の融合を象徴する存在です。

寺院は長い年月の中で何度も改修が行われ、現在の建物の多くは明代から清代にかけて整備されたものです。それでも唐代創建当初の雰囲気や構造は色濃く残されており、訪れる人々に千年以上前の文化交流の歴史を感じさせます。

建築と見どころ

西安大清真寺の最大の魅力は、中国宮殿風の屋根とアラビア文字が融合した独特の建築様式です。外観はまるで伝統的な中国の寺院や道観のようですが、装飾にはイスラム文化特有の幾何学模様やアラビア書道が施され、東西文化が調和した唯一無二の雰囲気を放っています。

礼拝堂

境内の奥には大きな礼拝堂があり、現在もムスリムの礼拝が行われています。内部は信者のみが立ち入ることができ、観光客は外から静かに眺めるだけですが、装飾の美しさと厳かな空気は外側からでも十分に感じられます。

石碑や彫刻

境内には歴代の碑文や石刻が点在し、中には唐代から残るものも。漢字とアラビア文字が並んで刻まれた碑は、この地の文化的融合を物語っています。木彫りやレンガ彫刻も非常に精緻で、細部までじっくり見学したいポイントです。

中庭の造園美

礼拝堂へ続く参道にはいくつもの中庭があり、池や築山、樹齢数百年の古木が配されています。春には花が咲き、夏は緑陰が涼しく、秋には紅葉が彩りを添えるなど、四季折々の美しさを楽しめます。

仏教・道教建築に似た構造

一般的な中東や東南アジアのモスクとは異なり、この清真寺は中国伝統の軸線構造を採用しています。門から礼拝堂まで中庭を挟んで一直線に並ぶ配置は、仏教寺院や道教寺院に近く、中国建築の影響を強く感じさせます。

【体験談&建物の説明書き】

ここに来ると自分が中国にいることを少し忘れてしまいそうになります。その理由が建物の説明書きにあります。ここの石碑には中国語や英語だけでなくイスラム語も記載されています。普段の街中では見ない文字に少し驚く人もいると思います。訪れた際に一目するのも面白いと思います。

見学の流れ・所要時間

西安大清真寺は、回民街の一角に入口があります。周囲は屋台や飲食店が並びにぎやかですが、門をくぐれば一転して静寂の世界。

チケット購入から見学開始まで

入口のチケット売り場で入場券を購入します(25元程度)。外国人でもパスポートの提示は不要で、購入後すぐに入場可能です。門をくぐると、まっすぐ伸びる参道と複数の中庭が続き、奥にある礼拝堂へと導かれます。

写真撮影の可否

境内の多くのエリアでは写真撮影が可能ですが、礼拝堂内部はムスリム以外立ち入り禁止のため撮影不可です。礼拝中の信者を無断で撮ることもマナー違反なので、人物を写す場合は必ず許可を取りましょう。

所要時間の目安

境内は奥行きがあり、中庭や彫刻をじっくり眺めながら回ると30分〜1時間程度が目安です。回民街観光と組み合わせる場合は、飲食や買い物の時間も含めて半日ほど確保すると余裕をもって楽しめます。

【体験談&チケット横にある売店で買える珍しいもの】

チケット売り場でチケットを購入して入り口から入るとすぐ近くに売店があります。ここは珍しいものを買うことができる場所です。その珍しいものとは、、、イスラム帽です。これはイスラム教徒の方が頭は霊が宿る神聖な場所であるという考えに基づいて、頭を守るためにかぶる帽子なんです。中国ではあまり見ることのできない帽子ですが、ここ西安大清真寺では普通に売店に売られています。中国の街中に見られるイスラム教徒の方が使う道具。ぜひ訪れた際に見てみて下さい。

マナーと注意点

西安大清真寺は観光地であると同時に、現在も地元ムスリムが礼拝を行う信仰の場です。見学の際は以下のマナーを守りましょう。

服装

肌の露出は控えめに。特に女性はノースリーブやショートパンツ、ミニスカートは避け、肩や脚を覆う服装が望ましいです。男性もタンクトップや極端に短いパンツはNG。

靴を脱ぐエリア

礼拝堂や一部の建物に入る際は靴を脱ぐ必要があります。靴を脱ぐ場所には明確な案内がありますが、念のため清潔な靴下や着脱しやすい靴を選ぶと便利です。

礼拝時間中の配慮

礼拝時間(特に金曜正午の礼拝)は信者で混み合い、観光客は一部エリアへの立ち入りが制限されることがあります。礼拝中は話し声を控え、静かに見学しましょう。

男性と女性の見学ルートの違い

通常、境内の観光ルートは男女共通ですが、礼拝スペース内は男性・女性で場所が分かれています。観光客は立ち入れませんが、案内板や係員の指示に従いましょう。

周辺スポット

西安大清真寺は、観光名所が密集する旧市街中心部にあり、見学後は徒歩圏内でさまざまなスポットを楽しめます。

回民街の食べ歩き

清真寺のすぐ外は、色とりどりの屋台やレストランが並ぶ回民街。羊肉串(ヤンロウチュアン)やビャンビャン麺、ザクロジュースなど、西安名物やイスラム風料理が味わえます。食べ歩きやお土産探しにもぴったりです。

西安城壁・鐘楼とのセット観光

徒歩10分ほどで到着する鐘楼は、西安旧市街のシンボル。さらに城壁まで足を伸ばせば、自転車での一周体験や夕景観賞も可能です。清真寺観光と合わせれば、1日で西安の歴史と街並みを満喫できます。

歩いて行ける歴史的建造物

近くには鼓楼や古い門、老舗茶館なども点在。路地裏を散策すれば、昔ながらの西安の暮らしや建物に出会えるでしょう。歴史好きなら、鼓楼から南に進んで小雁塔・大雁塔方面へ足を延ばすのもおすすめです。

訪問のヒント

西安大清真寺を快適に楽しむためのポイントを紹介します。

混雑を避ける時間帯

午前中の開館直後や午後の早い時間帯は比較的ゆったり見学できます。特に週末や中国の祝日は混雑しやすいので、平日午前がおすすめです。昼頃の礼拝時間は一部エリアへの立ち入りが制限される場合があるため注意しましょう。

夜のライトアップの有無

西安大清真寺自体は夜間ライトアップは控えめですが、近隣の鐘楼や回民街は夜も賑わい、ライトアップされた風景を楽しめます。夕方から夜にかけて回民街での食べ歩きを組み合わせるのも良いでしょう。

アクセス方法(地下鉄・バス)

  • 地下鉄:西安地下鉄2号線「鐘楼」駅が最寄り。駅から徒歩約10分。
  • バス:回民街周辺には多数の路線バスが停車します。
  • タクシー・配車アプリも利用しやすいエリアです。

西安駅からもアクセスが良いので、他の観光スポットと組み合わせて効率よく回ることが可能です。

下に地下鉄やバス、タクシーの乗り方の記事を載せておきます。乗り方が分からない方はご覧ください。

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【体験談&回民街から直接徒歩で行く場合】

回民街から直接、西安大清真寺に行く場合は回民街の南側の通りにある看板を目印にすると良いと思います。ナビで行くのもいいですが、位置がずれることが多いため看板通りに行くのが一番早いかもしれません。なお、看板はいたるところにあるので多少見逃しても大丈夫です。

まとめ

西安大清真寺は、中国とイスラム文化が見事に融合した貴重な歴史的スポットです。千年以上の歴史を持ちながら、独特の建築美や繊細な装飾、そして今も息づく礼拝の風景を通して、訪れる人に深い感動を与えてくれます。

歴史と建築、そして文化の三拍子が揃ったこの場所は、単なる観光名所を超えた特別な体験を提供してくれるでしょう。

西安観光の中でも、異国情緒やシルクロードのロマンを感じたい方にはぜひおすすめしたいスポットです。次回の西安旅行で、ぜひこの歴史ある清真寺を訪れてみてください。

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