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中国在住者必見! インフルエンザ予防接種の完全ガイド【接種時期・病院選び・費用まで】

朝夕の涼しさが心地よい季節になってきましたが、この時期から気をつけたいのが「インフルエンザ」の存在です。日本では10月頃から接種が始まりますが、実は中国でも同じく、秋口からインフルエンザの流行シーズンが訪れます。

「日本でもかかったことあるし、大したことないでしょ」と思われた方、少し待ってください。

中国、特に上海や北京、広州といった大都市では、通勤ラッシュ時の満員電車や、人でごった返す商業施設など、想像以上に高い人口密度が日常です。これはつまり、ウイルスに曝露する機会が格段に多いということ。さらに、オフィスや商業施設、公共交通機関の室内外の寒暖差も激しく、体調を崩しやすい環境が整っています。

そんな中、インフルエンザ対策として最も効果的かつ経済的な方法の一つが、予防接種です。ワクチンを接種する主なメリットは二つ:

  1. 自分自身を守る「重症化」予防: たとえ感染しても、症状が重くなるのを防ぎます。高熱や関節の痛みで数日間寝込む…という事態を避け、仕事や生活への影響を最小限に抑えられます。
  2. 大切な周囲の人を守る「感染拡大」防止: ご家族、特に小さなお子さんやご高齢の方、職場の同僚など、自分の周りにいるハイリスクの方々にうつしてしまうリスクを減らせます。

しかし、「中国でどうやって予防接種を受ければいいのかわからない…」「言葉の壁が心配」「日本のものと何か違うの?」といった不安をお持ちの方も多いはず。

この記事では、中国在住者、特に日本人の方がスムーズにインフルエンザ予防接種を受けられるよう、接種時期や病院の探し方、費用、当日の流れから注意点まで、役立つ情報をわかりやすくまとめました。ぜひ最後までご覧いただき、今年の冬を健やかに過ごすための参考にしてください。

、まるみ

中国で中長期生活するのであれば、この予防接種の仕方を知っておくことは重要だよね?

まるもん

そうだね!予約や時期を知っておくことは、病気になるリスクに直結するからね。この記事で詳しく見ていこう!

接種のベストな時期は?「遅すぎる」はない!

中国におけるインフルエンザワクチン接種のゴールデン期間は、例年9月から11月です。この時期は医療機関にもワクチンが十分に供給され、流行が本格化する前に免疫を獲得するには最適なタイミングと言えるでしょう。

「あっという間に11月が終わってしまった…もう遅いのかな?」とお悩みの方、ご安心ください。インフルエンザの流行は冬から春先(おおよそ12月から3月頃)まで続きます。12月以降に接種しても、意味は十分にあります。 流行のピークは年によって異なり、1月や2月にずれ込むことも珍しくありません。たとえ年明けであっても、流行が収まる前に抗体を作ることができれば、感染リスクを下げる有効な手段となります。

ここで最も重要なポイントを一つ。ワクチンを打ってから、体に十分な免疫力がつくまでには、およそ2週間かかります。つまり、「明日から混雑する場所に行くから、今日打っておこう」という即効性は残念ながらありません。接種の計画は、流行の動向を見据えて、少し早めに立てることをおすすめします。

まとめると、

  • 最も推奨: 9月~11月
  • まだ間に合う: 12月~1月(それ以降でも検討の価値あり)
  • 覚えておくこと: 効果発揮まで約2週間

ご自身の生活スケジュールと照らし合わせて、最適なタイミングを見計らってください。

どこで接種できる? 病院の探し方と選び方のポイント

中国でインフルエンザの予防接種を受けるには、いくつかの選択肢があります。ご自身の語学力や予算、求めるサービスレベルに合わせて最適な場所を選びましょう。

主な接種場所とその特徴

公立の地域病院(社区医院 / 社区卫生服务中心)

特徴: 中国の医療システムの基礎を担う、地域住民のための医療機関です。最も一般的で費用が安いのが魅力です。その地域に住んでいることが利用条件となる場合があります。

メリット: 費用が安い、中国のローカルな体験ができる。

デメリット: 職員が中国語しか話せない場合がほとんど。事前予約が必要な場合と、当日並ぶ場合があります。パスポートの提示を受け付けていないこともあるため、外国人は事前に電話で確認することを強くおすすめします。

私立病院・クリニック(私立医院 / 诊所)

特徴: サービスと快適さを求める方に適しています。外国語(英語など)に対応できるスタッフがいることが多く、待ち時間が比較的短いです。大都市には日本人医師や日本語スタッフが常駐する「日本人向けクリニック」もあります。

メリット: 言語のハードルが低い、予約が取りやすく待ち時間が少ない、サービスが行き届いている。

デメリット: 公立に比べて費用が高い。

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国際病院(International Hospitals)

特徴: 高水準の医療サービスと、完全な英語対応が特徴です。場所によっては日本語も。駐在員やそのご家族が利用することが多いです。

メリット: 最高レベルのサービスと環境、確実な英語対応、診療から薬の処方まで一括で受けられる。

デメリット: 費用が最も高額。

病院の探し方 – 実践ガイド

【基本】地図アプリで検索

百度地图 や 高德地图 で、以下のキーワードを検索しましょう。

  • 社区卫生服务中心 (地域医療サービスセンター)
  • 流感疫苗 (インフルエンザワクチン)
  • vaccination (予防接種)

病院の詳細ページに電話番号が記載されているので、外国人でも接種可能か、パスポートでOKか、在庫があるかを事前に確認するのが確実です。

【便利】健康関連プラットフォーム

阿里健康 (Alipay内の「医療健康」) や 京东健康 などのアプリでは、オンラインでワクチンの予約ができるサービスを提供している場合があります。クレジットカードやAlipayでの決済もスムーズです。

【安心】コミュニティ情報を活用

お住まいの都市に日本人会があれば、その公式サイトや会員向け情報をチェックしましょう。信頼できる病院のリストが公開されていることが非常に多いです。また、駐在員向けの情報サイトや、地域の日本人のコミュニティSNSで口コミを探すのも効果的です。

接種までの流れ(予約から接種当日まで)〜初めてでも安心のステップバイステップガイド〜

初めて中国で予防接種を受ける方でも戸惑わないよう、具体的な流れを詳しく解説します。想像以上に簡単なので、ご安心ください。

ステップ1: 事前確認 – これは必須です!

いきなり病院に飛び込む前に、必ず希望の病院に連絡を取り、以下の2点を確認しましょう。

① ワクチンの在庫:「现在有流感疫苗吗?」

(Xiànzài yǒu liúgǎn yìmiáo ma? / 今、インフルエンザワクチンはありますか?)

② 外国人の接種可否:「外国人可以接种吗?需要带什么证件?」

(Wàiguó rén kěyǐ jiēzhòng ma? Xūyào dài shénme zhèngjiàn? / 外国人は接種できますか?どんな身分証が必要ですか?)

※特に公立の「社区医院」では、パスポートでの受付を拒否される場合があります。 この一言で、無駄足を防げます。

ステップ2: 予約を取る

多くの病院では予約制です。電話の際にそのまま予約を取るか、病院のWeChatオフィシャルアカウントや健康プラットフォームアプリ(阿里健康など)からオンライン予約をしましょう。この時、「流感疫苗预约」(liúgǎn yìmiáo yùyuē) という項目を探します。

【体験談&Alipayでの予約の仕方】

①Alipayのホーム画面で赤枠の部分を押す。

②赤枠の部分を横にスライドさせる。

③赤枠の注射のマークのボタンを押す。

➃画面が切り替わったら赤枠の部分を押す。

⑤打つ場所を決める。

⑥病院の詳細を見て決めたら、何を摂取するのかを選択する。

⑦日時を選択して、画面下の青色部分を押して支払いを終えたら終了。

ステップ3: 持ち物を準備

当日は、以下のものを忘れずに持参してください。

✅ パスポート(必須): 中国では身分証明書として最も確実なものです。

✅ 支払い手段: 現金(人民元)または、WeChat Pay / Alipay が利用できます。クレジットカードが使えない場合もあるので、アプリでの決済が無難です。

✅ 健康情報: 既往症(持病)や、薬・食物・ワクチンへのアレルギーがある方は、その内容をメモしたもの(中国語か英語が理想)を持っていき、医師に必ず伝えましょう。

※ 保険証: 日本の保険証は適用外です。中国の社会保険や民間の国際医療保険に加入している方は、保険証を持参すると、後日請求できる場合があります(保険の内容要確認)。

ステップ4: 接種当日の流れ

受付 (登记)

受付で「流感疫苗接种」(liúgǎn yìmiáo jiēzhòng) と伝え、パスポートを提示します。そこで問診票(问卷)を渡されるので、記入します。

問診 (问诊)

医師または看護師が、問診票の内容を確認し、簡単な健康状態の質問をします。この時に、持病やアレルギーがあることを必ず申告してください。

接種 (接种)

いよいよ接種です。看護師が腕を消毒して、一瞬で終わらせてくれます。痛みは個人差がありますが、ほんの一瞬です。

待機 (观察)

接種後、通常30分程度、院内で待機するよう指示されます。これはごく稀に起こる急性のアレルギー反応(アナフィラキシー)などがないかを確認するための重要な時間です。体に異変がないか、自分自身でも確認しましょう。

気になる費用は? 相場と知っておきたい「無料」の条件

インフルエンザ予防接種の費用は、選択する病院やワクチンの種類によって幅があります。ここでは、具体的な相場と保険に関する知識をお伝えします。

費用の相場は?

私は今回私立病院・クリニックを通して接種をしましたが、およそ300元(約6,000円) 程度でした。サービスによってはこの範囲内か、やや高めになる傾向があります。

※ワクチンの種類:中国では「3価」と、より多くのウイルス型をカバーする「4価」ワクチンがあり、4価の方が数十元程度高くなる場合がほとんどです。

保険は使える?

日本の医療保険は原則として適用されません。しかし、中国現地の社会保険に加入している場合、または民間の高額な国際医療保険に加入している場合は、予防接種費用がカバー対象となる可能性があります。

国際医療保険:特に海外駐在員向けのプランでは、予防接種を「ウェルネスベネフィット」として一定額まで償還する場合があります。必ずご自身の保険証券で確認してください。

中国の社会保険:適用されるかは地域や病院によりポリシーが異なります。受付で「可以用社保吗?」(Kěyǐ yòng shèbǎo ma?) と確認してみると良いでしょう。

「無料接種」の対象になる?

中国では、公衆衛生上の観点から、高齢者、小学生、幼児など、特定の対象者を無料接種の対象としている場合があります。しかし、これらは基本的に中国国民(戸籍保有者)を対象とした政策です。永住権をお持ちの方などごく一部を除き、在留外国人は対象外となるのが一般的です。

日本との違い・注意点 – 知っておくと安心のキーポイント

中国での接種は、日本とほとんど変わりませんが、いくつか違いや注意すべき点があります。事前に知っておくことで、余計な不安を感じずに済みます。

1. ワクチンの種類と選択

日本では主流の「4価」ワクチンが、中国でも広く普及しています。接種を申し込む際は、「4価ワクチンはありますか?」(四价疫苗有吗? Sìjià yìmiáo yǒu ma?) と確認するのがおすすめです。

4価は3価に比べ、カバーするウイルスの型が一つ多く、より広い予防効果が期待できます。多くの場合、わずかな差額で接種できるため、選択肢があれば4価を選ぶと良いでしょう。

医療法人社団 医新会
https://www.ishin-kai.or.jp/

2. お子さんの接種回数に注意

お子さん(特に3歳未満)で、過去にインフルエンザワクチンを2回接種したことがない場合は、2回接種が必要となることがあります。これは日本と同様の基準ですが、病院によって方針が異なる可能性もあるため、お子さんを接種させる際は、必ず医師に「この子は2回必要ですか?」と確認することを強くお勧めします。2回接種する場合、期間は通常2~4週間空けます。

3. 言語サポート – 最も重要な違いの一つ

日本の医療機関と最も異なる点の一つがここです。

公立の社区医院では、ほぼ100%中国語のみでの対応となります。問診票の記入から医師の説明まで、基本的な中国語の理解か、誰かのサポートが必要です。

この言語の壁が少しでも不安な方は、迷わず最初から外国語(英語または日本語)に対応した私立クリニックや国際病院を選ぶことが、ストレスを減らす最も確実な方法です。多少費用は高くなりますが、正確な情報を得て、安心して接種を受けるためには、それ以上の価値があります。

【体験談&おすすめの私立病院】

インフルエンザの予防接種をするときに私が利用したのが、イーストウエストメディカルセンター。中国語を話すのが苦手だけど、インフルエンザの予防接種を打ちたいという方にはうってつけの病院です。広州と深圳にあり、日本語を話せるスタッフの方が在籍しています。こちらは私立病院になりますが接種は移動して社区で行う形となります。深圳の場合、WeChatで予約して訪問すると問診→社区へのプライベートタクシー移動→順番待ちなしでの接種→個室での30分間様子見→家までのタクシー送迎、すべてをサポートしてくれます。中国語で困ることや長い間の待ち時間がないのは非常にありがたいです。たくさんのサービスがありますが、値段も他に比べて高くありません。対応時間も平日と休日両方あるので融通が利きます。

下は問診で使う同意書です。詳しくインフルエンザ予防接種のことについて書かれているので参考にして下さい。

4. 副反応とその対処法

副反応そのものは日本のものとほとんど変わりません。

よくある反応接種部位の赤み、腫れ、痛み。また、発熱、頭痛、だるさなどが現れることもあります。これらは通常2~3日で自然に消えていく一時的なものです。

注意すべきサイン接種後、数分から数時間以内に、じんましん、呼吸困難、顔の腫れなどの激しいアレルギー反応(アナフィラキシー)が現れた場合、または接種部位の腫れや発熱が数日経っても改善しない、または悪化する場合は、速やかに医師の診断を受けてください。待機時間を設けるのは、このような急性の反応にすぐに対処するためです。

気になる疑問(FAQ)

ここでは、インフルエンザ予防接種に関してみなさんが気になるであろう疑問をQ&A形式で書いておきます。参考にして下さい。

まるみ

Q. 少し鼻水が出たり、軽い風邪気味の場合、接種はできますか?

まるもん

A. 発熱がある場合は、接種を延期されます。 発熱がなく、軽い鼻水や咳だけの場合でも、最終的な判断は医師が行います。問診の際に、必ず現在の体調について詳しく伝え、医師の指示に従ってください。体調が万全でない時に接種すると、副反応が強く出たり、体調悪化の原因となる可能性があります。

まるみ

Q. 赤ちゃんが打つ場合は何が必要ですか?

まるもん

A. 私の場合は母子手帳とパスポートを持っていきました。母子手帳に日付やどの種類を打ったか記載してくれます。接種するワクチンについて気になるようでしたら、接種前に医師や薬剤師にワクチンの生産メーカーを確認すると良いと思います。

まるみ

Q. 打つのにかなり時間がかかりますか?

まるもん

A. 私の場合は休日に行きましたが、かなり混んでいました。おそらく注射するために、普通の予約であれば1時間ほどはかかると思います。ただ、私の場合は日本人向けの医療機関を間に挟んで予約したため、一人300元程しましたが、順番待ちなしで注射できました。

おわりに:まとめとアドバイス – 健やかな冬を迎えるために

いかがでしたでしょうか?この記事では、中国でインフルエンザの予防接種をスムーズに受けるための情報を詳しくご紹介してきました。

ご覧いただいたように、中国での予防接種は、少しの準備と正しい情報さえあれば、決して難しいことではありません。 言語の壁や手続きの違いに臆することはありません。このガイドを参考に、ご自身のライフスタイルと予算に合った病院を選び、適切な時期に行動を起こすことが何より大切です。

情報を確認し、早めの行動を心がける——これが、感染リスクを減らし、自分自身と大切な人を守り、健康的に冬を乗り切るための最良の策です。

最後に、医療情報は常に更新されていきます。特に費用や病院の受付方針、ワクチンの在庫情報は変わりやすいため、実際に接種を受ける際には、必ずご自身で直接病院に確認するようにしてください。

皆様が健やかで快適な冬をお過ごしになりますよう、心より願っております。

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