中国・西安といえば、かつての長安としてシルクロードの起点に栄えた、歴史あふれる古都。その中心部に堂々とそびえるのが「鐘楼(ベルタワー)」です。まるで街の心臓のように存在感を放ち、観光客にも地元の人々にも愛され続けている西安のシンボル的存在です。
鐘楼は14世紀・明の時代に建てられたもので、かつては街に時刻を知らせる重要な役割を担っていました。現在では、その美しい建築やライトアップされた夜景、周辺の観光スポットとのアクセスの良さから、西安観光では外せない定番スポットとなっています。
この記事では、そんな鐘楼の歴史や見どころ、アクセス情報から、周辺のおすすめスポットまで詳しくご紹介します。初めて西安を訪れる方にも、リピーターの方にも役立つ情報をお届けしますので、ぜひ旅の参考にしてみてください。
鐘楼は西安に訪れた際に必ずと言っていいほど訪れる場所だよね!
昼でも夜でも楽しめる場所だよ!この記事を見て観光のポイントをおさえておこう!
鐘楼の歴史と背景|西安の中心を見守り続けた600年の時を超えて
西安の鐘楼が建てられたのは、明の洪武17年(1384年)。当時の西安は「長安」という名で、政治や文化の中心地として発展していました。鐘楼は、もともとは現在地からやや東の場所に建てられていましたが、都市の拡張と防衛上の理由から、1582年に現在の場所へと移築されました。

この鐘楼は、高さ約36メートルの三層構造の木造建築で、壮麗な青瓦の屋根と朱塗りの柱が特徴です。古代中国の建築美を今に伝える貴重な存在でありながら、その目的は非常に実用的でした。
当時は、鐘を鳴らして時を告げたり、緊急事態を知らせたりするための「タイムキーパー」としての役割がありました。特に夜間には、街を守るための警告音を発するなど、防衛機能も担っていたのです。鐘楼に対応する存在として、すぐ近くには「鼓楼(ドラムタワー)」もあり、こちらは太鼓で時間を知らせていました。
長い年月を経て、今ではその役割を終えた鐘楼ですが、西安の歴史と文化を象徴する建造物として大切に保存され、観光名所として多くの人々に親しまれています。中に入って当時の鐘の模型や建築の構造を間近に見ることができるほか、古都・西安の中心から360度の眺望を楽しめるスポットとしても人気です。

見どころと建築の魅力|昼も夜も楽しめる、中国建築の美しさを体感
西安の鐘楼は、見上げるだけでその存在感に圧倒される伝統的な中国建築。外観、内部、そして昼夜で異なる表情を見せるこの建物には、観光客を惹きつけてやまない魅力が詰まっています。
◎ 外観:伝統建築の象徴
鐘楼の屋根は中国建築独特の優美な曲線を描き、青瓦と緑釉の組み合わせが美しく輝いています。三層構造でありながら全体のバランスが見事で、赤く塗られた柱と金色の装飾が、重厚さの中にも華やかさを感じさせます。四方に大きく開いたアーチ状の通路は、街の交差点に建つこの建物が、まさに「街の中心」であることを象徴しています。

◎ 内部:歴史と文化に触れる空間
内部は木造の構造がそのまま活かされており、昔ながらの建築技術が感じられます。展示エリアには、当時実際に使われていた鐘のレプリカや模型、鐘楼の歴史に関する資料などがあり、建物そのものを見学するだけでなく、背景にあるストーリーを学ぶこともできます。
また、鐘の展示のほかにも、上階からの展望も人気。ガラス張りの展望窓からは、西安市街を360度見渡すことができ、歴史と現代が融合する風景を楽しめます。

【体験談&1階と2階の説明】
鐘楼は地下通路から入る形になりますが、セキュリティチェックを越えて階段を上がった場所が1階となります。1階は中央に売店があり、ここでしか買えない鐘楼のグッズを買うことができます。また、売店の周りは鐘楼に関する歴史的展示品が置かれています。




2階に上がると昔使われていた陶器や家具などが置かれています。1階から2階にわたって写真を撮ることは可能なので思い出にたくさん撮っておくと良いと思います。

天井を見上げるとすごくきれいな幾何的模様の絵柄を見ることが出来ます。細かなところまで見るのであればやはり昼間の方が良いかもしれません。

2階は展望台となっており外から街を見渡すと、すごくきれいな風景が広がります。ここ鐘楼が本当にアクセスの中心となっていることが感じられます。


◎ 夜のライトアップ:幻想的な美しさ
鐘楼を訪れるなら、ぜひ夜にも足を運んでみてください。ライトアップされた鐘楼は、昼間とはまったく違う幻想的な雰囲気に包まれます。建物全体が金色の光に照らされ、まるでおとぎ話の世界のよう。周囲の近代的な建物とのコントラストもまた印象的です。

◎ 写真スポットとしても◎
鐘楼は、どの角度から撮っても絵になるフォトスポットとしても人気。真正面からの堂々とした姿はもちろん、周辺の交差点や高架歩道からの斜めアングルもおすすめ。夜景撮影にもぴったりで、SNS映えする写真が簡単に撮れる場所です。
【体験談&SNS映え写真を撮る人々】
この鐘楼の周辺は夜になると多くのSNS映え写真を撮るための人でにぎわいます。特に女性は華麗な衣装や化粧をして写真家と一緒に鐘楼をバックに写真を撮っています。夜に行くとこのような人たちと会えますが、賑わいがあり過ぎてだいぶ混むので注意が必要です。薄暗さがあるうちから行くと空いているのでおススメです。

アクセス情報と入場情報|初めてでも安心!鐘楼の行き方と基本情報
◎ アクセス:地下鉄でラクラク到着
西安の鐘楼は、市のど真ん中に位置しており、アクセスは非常に便利です。
最寄りは地下鉄2号線・「鐘楼駅(Bell Tower Station)」で、駅を出るとすぐ目の前に鐘楼がそびえています。西安の主要観光地である鼓楼や回民街もすぐ近くにあり、徒歩での移動が可能です。
駅周辺には案内板も整備されており、英語表記もあるため外国人旅行者でも安心です。

【体験談&地下通路の地図に沿って移動するべし】
地上はローターリーになっており、鐘楼を囲むように車が走っているので近寄ることは出来ません。なので鐘楼の入り口は地下通路から通っていきます。ただこの地下通路は地上からの入り口によっては鐘楼へのアクセスがすごく遠くなるのでやっかいです。一本道なので迷うことはないですが、今どこにいるのかよく分からなくなってしまします。入り口付近に地図があるので、写真を通ってあと何回曲がるか確認しながら進むと良いと思います。


地下通路の天井には看板があります。その表示の通り移動すれば入り口が見つかります。

地上への出口や、ショッピングモールへの入り口、駅への入り口など色々な場所へのアクセスの起点となっています。



下の写真の場所が鐘楼へ入るための入り口です。右側にチケット売り場があります。

◎ 入場料:リーズナブルな価格で文化体験
2025年現在、鐘楼の入場料はおおよそ30元(約600円)です。
また、鐘楼と鼓楼の共通チケット(50元前後)も販売されており、両方を訪れる予定の方にはこちらが断然お得です。

◎ 開館時間:夜の訪問も可能
鐘楼は朝から夜まで開館しており、ライトアップされた夜の鐘楼も楽しむことができます。
おおよその開館時間は以下の通りです:
営業時間
〇4月1日〜7月18日、9月1日〜10月10日、1月29日〜2月17日
開放時間:08:30〜21:30
〇7月19日〜8月31日
開放時間:08:30〜22:30
〇10月11日〜翌年1月28日、2月18日〜3月31日
開放時間:08:30〜18:00
※季節やイベントにより多少前後することがあります。
時間に余裕をもって訪れるのがおすすめです。
◎ チケットの購入方法:現地でもスマホでもOK
チケットは現地窓口での購入のほか、以下のようなスマートフォンアプリでも購入可能です:
- 携程旅行(Ctrip / Trip.com)
- 馬蜂窩(Mafengwo)
- 美団(Meituan)など
アプリを使えば、混雑時でもスムーズに入場できるほか、割引がある場合もあります。中国国内のアプリは中国語表記が多いですが、Trip.comなら英語対応もあるため、外国人旅行者におすすめです。
【体験談&速さを求めるなら現地で買うのが一番】
チケットの購入ですが上記でも示したように、アプリやサイトで購入することも可能です。しかし、入力ミスやタイピングのエラーなどがもどかしい人は現地で購入するのが一番早いと思います。パスポートを係員に渡せば、その場ですぐに必要情報を入力してくれてチケットを発券してくれます。
なお、現地購入をしたい場合は、入り口横の旅行者専用サービスセンターに行きます。左側は中国人専用、右側は外国人専用となります。

下の写真のように入って右側はこんな感じ。スタッフがいて、パスポートを渡したら必要事項を入力して発見してくれます。お金の支払いもここでします。とにかく、ここにいるスタッフがめちゃくちゃ早く作業できる人でした。

チケットを購入したら左側通路を通って、セキュリティチェックを受けたら鐘楼へ入れます。

観光のポイント&おすすめの回り方|鐘楼を中心に西安を満喫しよう!
西安の鐘楼は、その立地と美しさから「何度でも見たくなる」スポット。訪れる時間帯や組み合わせる観光地を工夫することで、より充実した旅になります。
◎ 昼と夜、2回訪れるのもおすすめ!
鐘楼は昼と夜でまったく異なる雰囲気を楽しめるスポットです。
昼の鐘楼は、伝統的な建築様式をじっくり観察するのにぴったり。建物内部の展示や上階からの展望を楽しむには、明るい時間帯がベストです。
夜の鐘楼は、金色にライトアップされ幻想的な雰囲気に包まれます。周囲の車のライトや現代的な街並みとのコントラストも必見。夕方から夜にかけて再訪する価値ありです!
◎ 鼓楼とのセット観光はマスト!
鐘楼から徒歩5分ほど西に進むと、姉妹建築の「鼓楼(ドラムタワー)」があります。かつて鐘で朝を知らせ、太鼓で夜を告げていたこの2つの建物は、セットで訪れると歴史的な背景がより深く理解できます。
鼓楼の上階では太鼓の実物展示や、演奏パフォーマンスが見られることもあります。鐘楼・鼓楼の共通チケットを活用して、2つの塔を効率よく巡りましょう。
◎ 回民街でグルメ&ショッピングを満喫
鼓楼のすぐ裏手には、西安最大のグルメストリート「回民街」が広がっています。イスラム文化と中国の食文化が融合した、にぎやかでエネルギッシュな通りです。
羊肉串やビャンビャン麺、ザクロジュース、ゴマ団子など、西安名物がずらり。食べ歩きをしながら、お土産選びも楽しめます。夜になると屋台の明かりが灯り、一層にぎやかな雰囲気に。気になる方は下の記事をご覧ください。

◎ 鐘楼は市内観光のハブとしても最適
鐘楼は市の中心に位置しているため、他の観光スポットへのアクセスも抜群です。
- 西安城壁(南門)…徒歩またはバスで約10分
- 大雁塔…地下鉄で約20分
- 陝西歴史博物館…地下鉄またはタクシーで約20〜30分
市内を巡る際は、鐘楼周辺を起点に旅のプランを立てると効率的です。
バスや地下鉄、タクシーの乗り方はこちらからどうぞ!



旅行者へのアドバイス|はじめての鐘楼観光をもっと快適に!
西安の鐘楼はアクセスも良く、初めての方でも比較的気軽に訪れやすいスポットですが、事前に知っておくとさらに快適に楽しめるポイントがいくつかあります。以下のアドバイスを参考に、より充実した観光にしてください。
◎ 写真を撮るなら「夕方〜夜」がベスト!
昼間の鐘楼も美しいですが、夕暮れ時から夜にかけてのライトアップは必見。建物全体がやわらかな金色に包まれ、幻想的な雰囲気に。空が完全に暗くなる少し前(マジックアワー)に訪れると、空と建物のコントラストが際立ち、より美しい写真が撮れます。
周囲には高架歩道もあるため、さまざまな角度から撮影するのもおすすめです。
◎ チケットは「鐘楼+鼓楼共通券」が断然お得
鐘楼と鼓楼のどちらも見学したい場合は、共通チケットの購入がおすすめです。個別に買うよりも割安で、時間の節約にもなります。鼓楼では太鼓の展示や演奏も見られるので、ぜひ両方訪れてみてください。
◎ 雨の日は足元に注意を
鐘楼の建物内は階段が多く、石や木の床は濡れると滑りやすくなります。雨の日や直後は、滑りにくい靴で訪れることをおすすめします。また、展望スペースは風が強いこともあるので、傘ではなくレインコートの方が安全です。
◎ 中国語ができなくても安心
観光地として整備されているため、英語表記の案内板やパンフレットも充実しています。スタッフとの会話が必要な場面は少なく、スマホ翻訳アプリを使えば特に困ることもありません。
また、写真や展示を見るだけでも十分に楽しめるため、言葉の壁を気にせず訪れてOKです。

まとめ|まず訪れたい、西安のランドマーク
西安の鐘楼は、600年以上の歴史を誇る古都・西安の象徴的な建物です。その美しい伝統建築はもちろん、街の中心という立地の良さや、内部の展示・展望など、見どころがぎゅっと詰まった観光スポットとして、多くの旅行者を魅了し続けています。
昼には歴史と建築美をじっくり堪能し、夜にはライトアップされた幻想的な姿にうっとり──そんな二面性を楽しめるのも鐘楼ならではの魅力。
アクセスも良く、周辺には鼓楼や回民街などの人気スポットが徒歩圏内にそろっているため、西安観光のスタート地点として最適な場所です。
歴史ロマンに浸りたい方も、街歩きを楽しみたい方も、まずはこの鐘楼から旅を始めてみませんか?