中国生活

中国で体験!無人タクシーの乗り方と感想|未来の移動手段を先取り

中国を訪れると、日本ではまだ見慣れない“未来の乗り物”に出会うことがあります。街を走る車の中に、よく見ると運転席に人が座っていないタクシーがあるのです。まるで映画のワンシーンのような光景ですが、これはすでに一部都市で実用化されている無人タクシー(自動運転タクシー)人工知能とセンサー技術を駆使し、ドライバーなしで安全に目的地まで運んでくれる次世代の移動手段です。

この取り組みは、北京や武漢、重慶などの大都市を中心に広がりつつあり、数年前なら「実験段階」と思われていたものが、今や一般の人が日常的に利用できるレベルにまで進化しています。しかも、アプリで呼び出せば自分の目の前まで迎えに来てくれる手軽さは、旅行者にとっても魅力的。まさに“未来の足”を誰でも体験できる時代になってきたのです。

観光や出張の合間に、この無人タクシーを一度試してみれば、ただの移動時間が一気に思い出に変わります。料金も一般的なタクシーより割安なことが多く、「安全性は大丈夫?」「どうやって呼ぶの?」といった疑問さえクリアすれば、旅の楽しみを広げるユニークなアクティビティになるでしょう。

今回は、中国で進化を続ける無人タクシーについて、その仕組みや運行している都市、利用方法、実際の乗車体験の流れなどを詳しく紹介していきます。未来を先取りする旅のヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。

まるみ

中国に来たら一度は乗ってみたい乗り物だよね!

まるもん

そうだね!日本ではまだ乗ることができない地域が多いから、中国旅行ついでに乗ってみるのも面白いかもね!

無人タクシーとは?

無人タクシーとは、文字通り「人が運転しないタクシー」のことです。車両には人工知能(AI)と数多くのセンサーが搭載されており、カメラやLiDAR(レーザー測距装置)で周囲の状況を把握しながら、信号や車線、歩行者を認識して自動で走行します。

現在、中国で運行されている無人タクシーは、自動運転の国際的な基準でレベル4(L4)に分類されます。これは「限定されたエリアや条件下であれば、完全に自動運転が可能」という段階を意味します。つまり、特定の市街地や試験区間では、人間がハンドルを握らなくても安全に走行できるのです。

車によっては完全に運転席が無人のケースもありますが、いくつかの都市ではまだ「安全員」と呼ばれるスタッフが助手席や運転席に同乗し、万が一の時に介入できる体制をとっています。とはいえ、実際に走行している間はシステムが自動でハンドルやブレーキを操作しており、人間はほとんど関与しません。

また、環境への配慮から、無人タクシーは電気自動車(EV)をベースにしていることが多いのも特徴です。静かでクリーンな走りは都市部の移動に適しており、「未来の交通手段」と呼ばれるゆえんでもあります。

主な運営会社とサービスエリア

中国の無人タクシーは、複数の大手テクノロジー企業がしのぎを削りながら開発・運行を進めています。都市によってサービスを提供している会社が異なるため、旅行で体験したい場合は、訪れる地域でどの会社が展開しているかを事前に調べておくと安心です。

百度(Baidu / Apollo Go)

中国最大の検索エンジン企業・百度(バイドゥ)が手がける自動運転ブランド。北京、武漢、重慶など複数の大都市でサービスを展開しており、規模・知名度ともに最大級です。エリアによっては「完全無人運転」が認められているところもあり、旅行者にも人気があります。

AFP https://www.afpbb.com/?cx_part=nav

小馬智行(Pony.ai)

トヨタとも提携している自動運転企業。広州や北京などで走行しており、技術力の高さと国際的な注目度が特徴です。現地では一般利用者もアプリを通じて呼び出せることがあります。

文遠知行(WeRide)

広州を拠点とするスタートアップで、自動運転の研究開発に特化。タクシーだけでなくシャトルバスや物流サービスにも応用しており、広州で体験するなら要チェックの企業です。

动点科技 https://cn.technode.com/

滴滴出行(DiDi)

中国版「Uber」として有名な配車アプリ大手。無人タクシーについてはまだ一部都市での試験運行段階ですが、将来的には既存のDiDiアプリからスムーズに利用できるようになると期待されています。

36Kr Japan https://36kr.jp/

このように、都市ごとに提供している企業が異なるため、例えば北京では百度、広州ではWeRideやPony.ai、といった具合に「地域×会社」でマッチングして体験できるのが現状です。旅行者が訪れる都市によって選択肢が変わるのも、中国の無人タクシーの面白いところだといえるでしょう。

利用方法

無人タクシーの利用方法は、基本的に一般的な配車アプリと同じです。アプリをインストールして出発地と目的地を入力すれば、車が迎えに来てくれるという流れになります。ただし、初めて使う旅行者にとってはいくつか注意点もあります。

専用アプリをダウンロード

例えば百度の「Apollo Go(蘿蔔快跑)」は専用アプリから配車可能です。Pony.aiやWeRideも独自のアプリを提供しており、都市ごとに使うアプリが異なります。アプリは基本的に中国語版ですが、地図表示や乗車ボタンは直感的に操作できるため、翻訳アプリを併用すれば問題なく利用できます。

【体験談&アプリをあまり入れたくない方へ】

アプリをスマートフォンにあまりダウンロードしたくないという方はWechatのミニプログラムからの配車手続きをすることが出来ます。今回はPony.aiの操作を中心に説明しますが、他のアプリでも大体は同じなので参考にして下さい。

①Wechatの初期画面の下部「発見」を押す。

②ここで上部に検索画面が出てくるので「pony」と入力して下さい。

③一番上に水色の〇マークが出てくるので、押して下さい。

➃そうすると現在の位置情報に沿って乗車位置が選択できる画面になります。

⑤ここで乗車位置の選択をしようとすると、初めての利用者は電話番号登録の画面になります。

⑥自分の携帯電話番号が表示されるので、それを選択します。これで登録完了です。

呼び出し方

出発地と目的地をアプリで指定すると、数分後に車が迎えに来ます。通常のタクシーと同じように、指定したピックアップ地点に行けば車が待機しています。到着すると、アプリや車両の画面に表示されるQRコードや番号で本人確認を行い、ドアを解錠して乗車します。

【体験談&出発地と目的地の画面】

①まずは出発場所を選択します。黄色い点が停車できる位置を表しています。

②あとは目的地を選択して画面下部右側の青色のボタンを押せば無人タクシーを呼ぶことができます。

支払い方法

料金は通常のタクシーと同じか、やや安めに設定されていることが多いです。

支払いはWeChat PayAlipayといった中国の主要モバイル決済が基本。最近では一部サービスでクレジットカードや国際カードに対応している例もありますが、まだ少数派なので注意が必要です。

旅行者は事前にWeChat PayやAlipayを海外カードと連携させておくとスムーズです。

旅行者でも使える?

観光客が使う場合の最大のハードルは「アプリ登録」と「支払い方法」です。中国の電話番号が必要なケースもあるため、現地SIMやeSIMを利用するのがおすすめ。さらに、一部都市では外国人の登録に制限があることもありますが、北京や武漢など主要都市では旅行者でも問題なく利用できたという報告が増えています。

実際の乗車体験の流れ

無人タクシーはアプリで配車を依頼すると、数分以内に車両がやってきます。通常のタクシーよりも少し待つこともありますが、専用エリアでの運行が多いため、比較的スムーズに到着する印象です。

乗車までの流れ

指定した乗車地点に着くと、アプリに「車両到着」と通知が表示されます。車体には大きく「自動運転」「Robotaxi」といった表示があり、見つけやすいのも特徴。到着した車のドアは自動でロックされており、アプリで表示されるQRコードをスキャンすると解錠され、乗車できる仕組みです。

【体験談&到着してからの画面】

①配車予約をすると到着までの残りの時間が表示されます。

②到着してからは乗車待機時間が表示されます。5分間の間に乗らなければキャンセルされてしまうので気を付けて下さい。

③画面中央の待機時間が表示されている横の青色のボタンを押すと、開錠が出来ます。中に入って画面を見ると下のようになります。

➃これで画面操作は終わりです。これ以降は特に操作する必要がないので、安心です。

出発までの流れ

乗車してからすぐに車が出発するわけではありません。後部座席にある大型タッチパネルを操作して出発までの準備を整えます。操作は中国語か英語になります。

乗車すると一番初めに電話番号を入力します。入力するのは下2桁だけになります。
次に安全ベルトをしているかなどの確認項目が出てきます。このとき安全ベルトをしっかりしないと次の画面にはなりません。
安全に関する注意事項が出てくるので、確認したら同意のボタンを押します。
発信開始のボタンが表示されます。これを押すと車が動き始めます。

車内の様子

車内は通常のタクシーに似ていますが、フロント部分の運転席は無人です。先ほど紹介したタッチパネルですが、経路の確認や車内の操作(エアコン、音楽など)ができます。また、音声ガイドやAIアナウンスがあり、「まもなく出発します」「安全ベルトを締めてください」といった案内が自動で流れます。万が一の緊急時には乗客が操作できる緊急停止ボタンも備わっています。

車内は3人が乗れる仕様になっています。狭さは感じず、かなり快適空間です。
運転席には人形が置かれています。
皮張りのシートで乗り心地が本当に良い。程よい柔らかさで走行の疲れを感じさせないものでした。
深圳の真夏でも関係なく、しっかりとエアコンは効いていました。
ドアノブには小さなイヤホンが備え付けられています。ここからアナウンスなどがはっきりと聞こえます。
ドアロックもしっかりされているので安心です。
何かあったとき、すぐに連絡できるように案内板がありました。
画面では見ききれない注意事項も案内板がしっかりと用意されており、確認できます。
もちろん英語でも案内をしてくれています。
前の座席にあるモニター。これで精密に車をよけたり、進行方向を決めたりしていることが感じられます。

走行中の感想

走り出すと、そのスムーズさに驚かされます。加速や減速は人間のドライバー以上に一定で、曲がる時もハンドル操作が滑らか。信号ではきちんと停止し、歩行者や自転車を検知するとスッと減速します。人によっては「少し慎重すぎる」と感じるほど安全寄りの走り方で、急ブレーキや無理な追い越しは一切ありません。

自然な走行で、ストレスフリーな乗車体験が出来ます。
他の自動車も完璧に反応して運転をしていました。

降車方法

目的地に到着すると、アナウンスで案内され、ドアが自動で解錠されます。支払いはアプリ内で完結するため、車内でのやり取りは不要。そのまま降りれば乗車終了です。

降車のタイミングになったら右端に進んでくれます。
目的地に着いたら、後方に注意して降車します。横側の映像も見せてくれます。
降りてからは見送るだけ。スマホの画面に支払い画面が出るので、決済しましょう。

メリットとデメリット

無人タクシーは一度乗ってみると「これは日本ではまだできない体験だ」と感じられる一方で、旅行者にとっては不便さや制限もあるのが現実です。ここでは実際に利用する上でのメリットとデメリットを整理してみましょう。

メリット

未来的な体験

映画やSFの中でしか見たことがなかった「無人で走る車」に実際に乗れるのは、まさに未来を先取りする体験です。観光の合間に試すだけで、旅の思い出がぐっと特別なものになります。

◎料金が安め(都市による)

一般的なタクシーよりもやや安い料金設定になっていることが多く、都市によっては地下鉄やバスに近い感覚で利用できます。コストを抑えながら観光を楽しめる点も魅力です。

◎安全性に配慮された設計

自動運転システムは歩行者や自転車をしっかり検知し、急ブレーキや無理な追い越しを避ける設計になっています。むしろ人間のドライバーよりも慎重な運転に感じる人もいるほどです。

◎話のネタになる

「中国で無人タクシーに乗った」という体験は、友人やSNSで話題になること間違いなし。旅行のエピソードとしても強いインパクトがあります。

デメリット

× サービスエリアが限られている

無人タクシーはまだ運行エリアが限定的で、都市全域で使えるわけではありません。利用できるのは試験区間や特定の市街地に限られることが多いです。

× 中国語アプリが必須

配車や支払いは中国語のアプリを通じて行うため、旅行者にとってはハードルが高い部分です。翻訳アプリを併用すれば対応できますが、最初は戸惑うかもしれません。

× まだ「テスト運行中」が多い

完全に商業化されたサービスではなく、今も「試験運行」として走っている場合が多いため、利用時間やエリアに制限があるのが実情です。

× 急なシステム停止や制限あり

天候やシステムの事情で急に運行が停止することもあります。また、深夜や早朝は利用できないなど制限があるため、時間に余裕を持って試すのが安心です。

実際に深圳で無人タクシーに乗ることが出来るエリア。乗車できるエリアが限られていることが分かります。

今後エリアが拡大される可能性が大いにあるので、何年後かにチェックしてみると面白いかもしれません。

観光客向けアドバイス

無人タクシーはとても魅力的な体験ですが、旅行者がスムーズに利用するためにはちょっとした準備と工夫が必要です。初めて挑戦する方に向けて、押さえておきたいポイントを紹介します。

事前にアプリをインストールしておく

無人タクシーは専用アプリからしか呼び出せないため、旅行前にインストールして登録を済ませておくと安心です。現地で慌ててダウンロードすると通信環境によっては手間取ることもあります。ダウンロードが難しい方はWechatのミニプログラムを利用して下さい。

中国語が不安なら翻訳アプリを活用

アプリの操作画面や案内は基本的に中国語のみ。翻訳アプリを使えば「乗車」「降車」「キャンセル」など最低限の操作は問題なく行えます。実際に使ってみるとアイコンが直感的なので、慣れれば難しくありません。

現地SIMカードかeSIMを準備

無人タクシーはインターネット接続が必須です。空港や市内でSIMカードを購入するか、事前にeSIMを契約しておくとスムーズに利用できます。Wi-Fiだけでは呼び出しのタイミングで不安定になることがあるため、モバイル通信環境は必須です。

時間に余裕を持って体験する

サービスエリアが限られているため、場合によってはピックアップ地点まで移動が必要なこともあります。また、試験運行のため車両が少なく、待ち時間が発生するケースも。予定の合間に「ちょっと寄り道」の感覚で体験するのがおすすめです。

このように少し準備をしておくだけで、無人タクシーは旅行中のハイライトとなる特別な体験になります。

まとめ

中国では、すでに「未来の移動」が日常の風景として息づいています。無人タクシーは、最新の自動運転技術と電気自動車を組み合わせた、まさに未来の乗り物。都市部では一般市民が実際に利用しており、旅行者でも体験することができます。

観光の合間に無人タクシーに乗れば、ただの移動時間が特別な思い出に変わります。滑らかな走行や先進的な車内設備、そして安全性への配慮など、実際に体感することで技術の進歩を肌で感じることができるでしょう。

旅行者にとってもユニークでわくわくする体験であり、友人やSNSで話題にできる特別なエピソードになります。中国を訪れるなら、ぜひ一度は無人タクシーに乗って、未来の交通を実際に体験してみてください。

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